オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

幕末御用盗

2007年02月02日 23時43分06秒 | ほぼ、文庫本
幕末御用盗/津本陽/講談社文庫

キーワード/幕末、江戸、薩摩藩、御用盗、赤報隊、相楽総三、勝海舟

幕末、明治維新の裏側、または狭間、の小説。
走り読みもいいとこ、だけど、なんとか読了。
いやー、しんど(苦笑)。
なんでしんどいか、ていうと、まず一つは、おいらがこっちがわ
のことを知らないからだと思う。
知らない、ていうか、知ろうとしない、ていうかね。
敵視してるってもいい。…おいおい。
ただ、津本陽さんという人の、斬り合いの場面は恰好良かろう、
と思って、それだけのために読んだとも言える。
なんだなんだ、なんか飢えてるのか、おいら!?
キーワードにもしましたが、相楽総三のことがけっこう詳しく入ってた。
漫画「るろうに剣心」で彼を知った人(=おいらも!)には
嬉しい副読本かも。好きな人なら、涙の一つもこぼれるかも。

何事においても、陰日向がある。
光あたるメジャー街道の、一本脇には闇夜のマイナー路線が並走し、
そのどちらが欠けても一事は為し得ない。
特に、歴史上の大きな転換点となる事件には
それが顕著だと思う。
メジャーに映る筋書きのために、どれだけ
舞台裏で工夫(工作)が行われたか。
とか言いつつも、最後の最後に拠り所となるのは
個人の心意気であり、信念とかそういうものであり、
とどのつまりでモノを言うのが品格というものだ。
…わけ、わからんがな。
要するに、やね、正しい正しくない、善や悪や、そういうもんは
二転三転する。せやけど、変わらんのは人としてどやねん、という
おおもとの、根っこの、シンプルに考えて、人としてええんか、どやねん、
という、そういうことだと思うわけやな。
…でも、それとても、見る人によって違ってくるよなあ。

そうそう、これは官軍側から見た小説(そらそやがな、
御用盗、の話やからさ!)ですが、
作中、近藤勇の名が2箇所、土方歳三の名が1箇所、
新選組の名が2箇所(元・がついたのがさらに1箇所)出てきます。
あと、話の終盤で、江戸市中で主人公が出会う
「明日は上野の彰義隊に加わる」盗人がいますが、
この盗人、平青眼の構えの、体格が良いの、…ときたので
すわ、原田左之助か!?(嬉)とか思いましたが幕府御徒組の侍でした。