オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「陽気なギャングが地球を回す」

2006年02月24日 23時31分17秒 | ほぼ、文庫本
陽気なギャングが地球を回す/伊坂幸太郎/祥伝社文庫

先週の土曜日にタイトルと表紙で買った。あと帯に「5月13日(土)全国ロードショー」ってあって、映画宣伝用と思われる(それ以外にないって)写真が合成されてたので。最近、映画の原作とかドラマの原作とかに弱いよなあ。まあこの映画に佐藤浩市が出るってのも、買う気になった一因ではある。
さらに書くと、伊坂幸太郎の名前も記憶のどこかにあった。なんかひっかかった。多分、めざましテレビかなんかで言ってたことがあるんだと思う。別にそういう「世の中の流れ」みたいなのに乗るつもりはないけど、なんとなく本に呼ばれました。おいらもともと、こと本に関しては「世の中の流れ」というやつに迎合するつもりはなくて(といって別に逆らうつもりもない)、本屋や図書館で現物を見て、あるいは手にとって、感じるものが某かあるかどうか、を大切にしたい。読んでみて「…っけっ」というような本だったとしても、それはそれで自分が選んだってことで、読んだ時間を無駄だと思わずに済む。
…ってこれまた、前置きが長いよね。

えーとね。
面白かった。(最近これしか言ってないよなあ)
お気軽に読める。おいらはさらに繰り返して読みたい。何度でも。(というわけで、減らそうと思っている文庫本にまた在庫が増えたよ。なんてこったい!)
ストーリーは難解ではないし(難解なものを繰り返し読んで理解しよう、なんて殊勝な心掛けは、たまには生まれるがそうそう出てこない)、読み手が飽きないだけの仕掛けとかお楽しみとかなんかそういうものもあるし、どんなにブツ切りで読んでも、最後まで読破しようと思える。なーんか、気になる。手に汗しながら徹夜覚悟で一気読み、というタイプではないけど、何日かかっても、毎日ちょっとずつでも、最後の結末まで読みたい本。
ただ、一個だけ難を言えば、直接ストーリーに関係なさそうな逸話(エピソードと読んでほしいところ)がしれっと入ってる印象があって、いや、ま、それは実は最後に、なんだよここに来るのかよ、っていう立派な伏線になってるんだけども、それにしてもそれぞれの人の背景とかバックボーンとかその人であるためのタネ明かし、みたいなのが多いような気がした。読んでて話が飛ぶなあと思ったのも、そのせいかも。でも、ま、実際生きてるってそういうことだし。人の数だけ背景だのなんだのがあって、でもそれを他人の分まで知り得ることが僅少だというだけで。(だから同時進行で複数の人のバックボーンを展開されると、今一つそれぞれにのめり込めなくて、話があちこちに飛ぶ印象が残るのかもな。要するに面倒臭いのか。)
これはね、映画、見るよ!佐藤浩市や鈴木京香が出てるからもあるけど、この原作をどういう映画にしたのか、見たい。あとがきで「90分の映画が好きです」と書いた作者の意見は反映されているのか?

「ロマンはどこだ」(←本書を読む上で重要なキーワード、なんだそうですよ、解説によれば)
その気になればどこにでも転がってる。あとはそれを見つける目や感じとるアンテナを張っているかどうか。