同社運営の保育園の採用情報が示すもの
㈱日本保育サービスは、下記の通り、首都圏を中心にアスク保育園という名で85保育園、学童クラブは37所、児童館は9館を運営しています。 ◆アスク保育園・・・【東京都】 認証保育所26園、認可保育園11園、保育室2の計39。この杉並区にも都認証保育所・アスク永福保育園があります。【神奈川県】 認可保育園25園(うち1園指定管理者)、認定保育園1、保育室3の計29。【千葉県】 認可保育園4園(指定管理者)。【埼玉県】 認可保育園6園(うち2園指定管理者)。【愛知県】 認可保育園4園(うち3園指定管理者)。【宮城県】 認可保育園1園。
◆児童館・・・9館(指定管理者)
◆学童クラブ22(指定管理者8、運営委託14)。放課後児童クラブ15(指定管理者)
㈱日本保育サービスの採用サイトで同社の2011年度の新卒採用情報を見てみましょう。そこでは・・・・・・
【パート・アルバイト】
◆ 保育士 7時~22時のシフト制、時給900円~ (無資格者は800円~)※研修期間中はマイナス50円、無資格者は地域により異なる。
◆ 調理補助 8時30分~18時のシフト制、時給1000円~
◆ 看護師 7時~22時のシフト制、時給1000円~
◆ 児童館職員・学童クラブ指導員補助
7時~19時のシフト制、時給900円~
※ちなみに同サイトの中途採用情報では・・・
◆保育園 7時~22時の実働8時間でのシフト制。給与は、園長候補(保育士)が月23万円~、保育士が月18万円~
◆児童館・学童 7時30分~21時。給与は月18万円~
【杉並区のアスク永福保育園の保育スタッフ求人情報】
杉並区にある同社運営の上記の都認証保育所の場合をみておきます。
◆「『保育士』資格がなくとも大丈夫。もちろん未経験の方、大歓迎です」
◆有資格者(保育士)は時給900円~。研修期間は850円(150時間)。7~8時と18時以降は100円アップ。
◆無資格者は時給830円~。18時以降は50円アップ。
◆勤務時間 朝~昼、昼~夕、夕~夜。週3日以上、1日6時間以上のシフト勤務。
(※ アスク永福保育園は、▲開所時間は月曜~土曜が7時30分~22時、日曜が8時~18時。▲職員数は10名、園児数(定員)は36名。▲保育料金は、週5日の保育基本コースの場合、0歳児で70000円、1・2歳児で63000円、3歳児以上で57000円)
“低賃金、とっかえひっかえのパート・アルバイトで企業は儲かる”ー結局そういうことではないでしょうか
① 今では誰でも知る通り「月○○万円以上」「時給○○○円~」とは「月○○万円」「時給○○○円」ということにほかなりません。園長候補、主任格(ベテラン保育士)でも月23万円、18万円。保育スタッフは無資格・未経験でも歓迎でパート・アルバイトが基本、保育士資格があっても時給900円、無資格者は830円です。東京都の最低賃金は時給821円。つまり最低賃金そこそこの超低賃金です。
② シフト制で「週3日以上」、「1日6時間時間以上」というのも、「週3日、せいぜい4日」「1日6時間、せいぜい7時間」というのが常識。正規職員の常勤制によらず、総人件費、賃金を低コストに抑えるために行われているのが細切れ・つなぎのシフト制。単なる勤務日の組み替えや勤務時間の変更・配分ではありません。「通し」で週に多い勤務日数、1日に長い勤務時間の勤務形態では総人件費が膨らむことから、時給シフト、細切れ・つなぎシフトが経営者の低コスト化・効率化優先の経営方針となっています。保育士資格があり保育園で働いた経験者(ベテラン)を園長や主任格で中途採用する場合もシフト制。パート、アルバイト=シフト制こそ「人件費縮減・抑制で稼ぐ、低賃金で儲ける」ということです。あからさまに言えば、正規・常勤職員なら職員1人にかかる人件費○○円が、3~4人のパート・アルバイトのシフト制で3~4人にかかる人件費に化け、その分利潤が稼げるという仕組みがパート・アルバイトによるシフト制です。
③ 「従業員満足を重点課題とする」??。時給900円(800円、830円)、週3(4)日・1日6時間勤務で計算してみてください。月6~7万円(週3日の場合)、月8~9万円(週4日の場合)という水準です。資格があっても、資格がなくても、これでは保育の仕事だけではとうてい暮らしてはいけません。同様の保育園パート・アルバイト勤務を掛け持ちするとか、深夜にコンビニや居酒屋、ちらしのポスティング等でアルバイトして身をボロボロにすり減らしながら保育園で働く、そうしなければ食っていけない、生きていけないということです。
④ 山口洋代表が言っている「保育の質」とは何でしょうか。150時間の「研修期間」と「常に顧客に喜んでもらえる向上を求める」ことで「能力と知識」なるものを詰め込む、叩きこむというだけの話です。園長もシフト制、保育主任もシフト制、スタッフも全員パート・アルバイト。そうでなくても保育はてんてこ舞いの繁忙と精神的な集中力が求められる仕事、経験を積んだベテランを軸にチームワークがあってはじめてできる仕事・・・とっかえひっかえ、入れ替わり立ち替わりの体制で、保育に責任をとりきれるスタッフが育つとでも思っているのでしょうか。
⑤ ここに浮かび上がってくるのは、「子ども・子育て」を看板に子どもと親(労働者)を食い物にしてカネ儲けしようとしているだけでなく、それも、専ら保育労働者を食い物にすることによってカネ儲けしようとしているということです。介護保険制度でコムスンが訪問介護事業での中間搾取で訪問介護員を食い物にした構造と本質的にどこに違いがあるでしょうか?
⑥ この超低賃金、この細切れ・つなぎシフトでは、まともな保育はまったく成り立ちません。子ども・子育て新システム」が企業モデルとしているのはJPホールディングス、実施・強行でもたらされるのが保育の解体、保育のきりすてであることは明白ではないでしょうか。 ▲たとえ職員が、どんなに知識や能力があり、子どもにたいする愛情があり、保育の仕事への情熱と責任感があり、献身性があり、どんなに努力する人でも、そもそも今日明日の生計の不安を抱え将来の不安を抱えていたら、必要な精神的ゆとりも失い、子どもの様子から目を離せない子どもの命を守る仕事、0歳から5歳までの月齢も年齢も個性も違う子どもたちを集団的にも個人的にも見守り、育てていく保育の仕事にとうてい打ち込むことなどできません。
▲週3日勤務、1日6時間の細切れ・つなぎのシフト勤務では、そもそも子どもの顔や特徴を覚えることもできなければ、子どもたち同士の人間関係を認識することもできません。「週3日勤務」とは同じ保育園で同じ子どもたちを相手に仕事しながら、その職員同士で顔をまったく合わせることもないということが、たとえば月・水・金の職員と火・木・土の職員がそうなるように相当の確率で起きます。申し送り・ひきつぎもできないし、ミーティングなど望むべくもありません。これでは個々の職員がどんなに責任感と熱意をもって頑張っても燃え尽きてしまうだけです。
▲子どもが「自分の先生」が誰なのかもわからない、職員も子どもを把握できない、子どもから目を離さず、常に目を配っているということもできない、ひきつぎもできない・・・トラブルや事故は当然に頻発します。これは現場で懸命に働くパートやアルバイトの職員のせいでは絶対ありません。時給900円・800円そこそこの低賃金での週3日1日6時間のシフト制という仕組みが不可避にひきおこす問題です。にもかかわらず「従業員の育成」だけが強調され、従業員自身の「向上の努力」が課題にされる。企業は常に、トラブルや事故が起きたら従業員に責任を押しつけ職員を犠牲にして、トラブルや事故を生みだす仕組みの根本問題には蓋をして、企業の責任は頬かむりします。「従業員満足」「楽しく働くことをモットー」「人間的仕事」などと言っていますが、実体は保育労働者を使い捨ての消耗品としてしか考えていません。従業員を入れ替え、使い捨てるだけです。「従業員の育成による保育の質の向上」などさらさら考えていません。
▲企業にはもとよりその気はありませんが、こうした仕組みのもとでは保育労働者も、子どもの命を守り、成長を支える保育に責任をとれません。労働者にとっても、子どもを預ける親にとっても、子どもにとっても、保育の解体、きりすて以外の何ものでもありません。
⑦ JPホールディングスグループのホームページは、トップに「子育て支援事業 ㈱日本保育サービス」「一緒に働いてみませんか?」と掲げていますが、続く《トピックス》は、同社の新株発行、株式売り出し、投信情報、決算短信のオンパレードと事業の拡充の報告、同社の「子育て支援ビジネス」に注目したマスメディアの報道の紹介による自社宣伝です。同社ホームページのトピックスを皆さんも直にごらんになればわかります。(http://www.jp-holdings.co.jp/index.html)「利益を生みだすことがすべて」、カネ儲けあるのみ、これこそ、同社の企業理念です。政府が「子ども・子育て新システム」の制度上の柱としている「株式会社の参入、その促進」とは、このJPホールディングスのような企業の乱立、競争を指しています。まさに、子ども・親を食い物にしての「カネ儲け」ビジネスです。
公立・民間、認可・無認可にかかわりなく、現場から声をあげよう。誰が保育を行い、誰が社会を動かしていると思っているのか。現場の気持ちはみんな反対のはずです。子ども・子育てを食い物にしてカネ儲けし、そのために幼保労働者にワーキングプアを強いる幼保一体・民営化=非正規化に対しては、幼保労働者、労働者階級、労働者家族の誇りに賭けて絶対反対です。労働組合があるところは組合で決議して反乱をおこそう。労働組合がないところは一から組合をつくって反乱を準備し開始しよう。反乱の拠点をつくろう。労働者の団結こそ反乱の武器です。<script src="http://googleads.g.doubleclick.net/pagead/test_domain.js"></script><script src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/render_ads.js"></script><script></script><script language="JavaScript1.1" src="http://googleads.g.doubleclick.net/pagead/ads?client=ca-ntt-ocn-blogzine-m_js&output=js&lmt=1297938409&num_ads=3&ea=0&oe=utf8&flash=10.0.42.34&hl=ja&url=http%3A%2F%2Fsuginami.no-blog.jp%2F&adsafe=high&dt=1297938409977&shv=r20101117&jsv=r20110208&saldr=1&correlator=1297938410024&frm=0&adk=2309297773&ga_vid=876861917.1297938410&ga_sid=1297938410&ga_hid=374017122&ga_fc=0&u_tz=540&u_his=0&u_java=1&u_h=819&u_w=1024&u_ah=819&u_aw=866&u_cd=32&u_nplug=0&u_nmime=0&biw=547&bih=627&fu=0&ifi=1&dtd=125"></script>
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