すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

大うそつき東電の「福島原発事故・収束工程表」弾劾!

2011年04月18日 | 2011年4月杉並区議選

《原発選挙=杉並区議選が始まった!》

原発なくせ・社会を変えよう! 

 17日、統一地方選後半戦が告示をもって始まった。投票日は4月24日。ここ杉並区は、原水禁運動発祥の地であり、この10日には高円寺で1万5千人参加の反原発デモが行われており、「すべての原発今すぐとめよう」をただ一人の現職区議会議員(都政を革新する会・北島邦彦氏)が掲げて立候補している。3・11東日本大震災・福島原発大事故のさなか、原発廃止を訴える原発絶対反対派と原発(福島原発事故問題)に触れないその他の全政党会派との際立った対立構図の中で闘われる。今次杉並区議選は、原発推進・原発容認か原発停止・廃止かを問う原発選挙となった。

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(写真は転載。4月10日、1万5千の青年が参加した杉並区高円寺の反原発デモ)

原子炉完全廃炉・被災者即時完全補償ぬきの東電の福島第一原発事故「収束工程表」を弾劾する

 東京電力は17日、福島第一原子力発電所の「事故収束」に向けた作業計画をまとめた「工程表」を発表した。東電は、原子炉格納容器を水で満たす「水棺(すいかん)」処理や原子炉建屋をテント状に覆う応急措置などを行い、放出している放射性物質の量を大幅に低減し、安定した状態を取り戻すまでの期間を6~9か月と設定したというものだ。

 この東電勝俣会長発表を受けて海江田経済産業相は、「6~9か月後を目標に一部地域で帰宅が可能か否か知らせたい」と述べ、周辺住民の避難生活の長期化は避けられないとの見通しを示した。

 「工程表」では、放射線量が再び増えることのない落ち着いた状態にする「ステップ1」と、放射線量をさらに大幅に減らす「ステップ2」の2期に分け、「1」は今から約3か月後、「2」は6~9か月後の完了を目指すとしている。「原子炉や核燃料貯蔵プールの冷却機能回復」「放射性物質による汚染の対策」「放射線量の監視や除染」が克服されるべき課題だとして具体的な目標を設定している。

 こんなものは工程表でも何でもない。単に今東電が進めている「水素爆発の回避」と「高濃度放射性物質汚染水の放出の回避」、つまり《冷却水の延々たる注水》と《発生する放射能汚染水のたらいまわしの貯蔵》といういつ果てるとも知れない、しかもいつ爆発事故や汚染水大量流出を招いても不思議がないような綱渡り的な危機的現状の継続に、これまで同様大うそつきの政府・東電が何の根拠も見通しもなく数字(収束期間)をかぶせただけのものだ。これが「収束の工程表」というなら実体は原子炉爆発と大量の放射性物質の大気への放出・拡散、大量汚染水流出の爆弾を抱えて未来永劫同じ作業を続けると言うに等しい。本当に怒りに堪えない。ふざけるな!ということだ。

 何よりも政府・東電にはチェルノブィリをはるかにこえるような破局に向かって福島原発事故がいま日々悪化しているという現実、それをひきおこした政府・東電の大犯罪に対する責任の自覚と謝罪の気持ちなどかけらもないということだ。完全廃炉、被災者への即時完全補償という心底からの表明でないから、こういう何の根拠もないその場逃れ、出まかせの「収束の見通し」「工程表」が出てくるのだ。

 被災地の怒り、私たちの怒りを知れ

 本当に怒りを抑えることができない。政府・東電の「収束工程表」にはチェルノブィリ事故原子炉の「封じ込め」の石棺の完成に80万人の労働者が動員され全員が被曝したという深刻さ以上にとてつもないプロセスを要するという認識はまったくない。事故から25年経た今もチェルノブィリ石棺(原子炉廃炉設備)監視・保守・点検を24時間体制で3500人の労働者・技術者が行っているという現実への自覚もない。放射能の漏出を完全に遮蔽したわけでもないその石棺さえも寿命が来て、超厚鋼鉄製の封じ込め設備を構築するのに一切の他の支出に優先してウクライナの国家予算の大半を注ぎ込まねばならないという事態になっているが、それをもはるかに上回る国家財政の投入が福島原発事故の封じ込めには要するということへの自覚も覚悟もない。どんなに莫大な財政を注ぎ、どんなに膨大な債務を要そうと、事故原発の封じ込め、廃炉をやりとおすという絶対的な責任の考えがまったくない

 チェルノブィリでは事故から25年経た現在もなお、原発から半径30km以内の地域での居住が禁止されるとともに、原発から北東へ向かって約350kmの範囲内にはホットスポットと呼ばれる局地的な高濃度汚染地域が約100箇所にわたって点在し、ホットスポット内においては農業や畜産業が全面的に禁止されている。福島原発周辺地域・周辺海域を「死の地」「死の海」と化し、被災地・周辺の労働者住民から住居も仕事も奪い、強制疎開させ、避難所生活と大失業に叩きこみ、農民から営農を奪い、漁民から漁労を奪い去り、避難先では子どもたちが「福島」という差別・偏見で排除されている。「収束」のための作業と称する被曝作業に大量の作業員・技術者を犠牲前提で送り込み続けている。これがこの先何年も何十年も続くのだ。菅、枝野、海江田、勝俣東電会長、清水東電社長、お前たちが「収束」作業にあたれ。お前たちも避難所で暮らせ。

 原発で作業に従事する労働者も被災地の住民も、子どももかけがえのない命があり、踏みにじられてはならない誇りがあり、感情をもっている、血の通った人間なのだ。放射能被曝で命を削っている労働者の行き場のないうめき、職も住居も故郷も失い、すべてを失って歯を食いしばって生き抜こうとしている被災住民の怒りと苦しみ・・・、「福島」と言っただけで子どもが仲間外れにされ、「福島」を明かしたら嫁にも行けない、隣席したら「放射能がうつる」と忌避される、被災者には何の咎もないのに味わされるこのくやしさ、いわれない偏見による孤立感・・・・全部、お前たち政府と東電、資本家がカネ儲けがすべてで原発を推進してきたせいで、この苦難を強いられているのだ。東電「工程表」はこれを延々と続けるということだ。罪万死に値する。絶対に絶対に許せない。奴らを絶対許すな。徹底的に責任を追及し断罪しよう。

 候補者のポスター掲示板はすべての原発今すぐ廃止を訴える候補者以外は、どれも見まがうばかりの、まるで3・11東日本大震災・福島原発事故などなかったかのような綺麗ごとのスローガンが並んでいる。死の灰が覆い始めているときに、またいまだ夥しい犠牲者が不明のままにされ拡大している大惨事のさなかに「やさしさ溢れる杉並」「福祉あふれる杉並」のまやかしは、原発大国=日本の政府と大資本への屈服であり、被災地を先頭とする全人民の政府・東電・大資本への怒りのやむにやまれぬ爆発に反対・敵対するものだ。原発をどうするかは、被災地の労働者人民を見殺しにするのかどうか、私たちの未来、全人類の未来がかかった―福島原発事故が起き拡大し続けている以上―一刻の猶予もない歴史選択だ。未来のために!NON NUKES!NO MORE FUKUSHIMA!全世界を駆け巡っているこの共通の誓いをここ杉並から政府・東電徹底追及、原発廃止の大運動にしよう。

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