降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★讀賣報知を初めて讀んだ・見た❹

2014年09月25日 | 新聞


ついつい最近(1990年代前半)まで、鉛活字と凸版、インクを使って活版で組んでいた「新聞」。
僕たち新聞社整理部から見た、活版鉛活字組み版から第1期CTS(コンピューター組み版・編集)までを後世に書き遺しておこうかな、と。


【きのう9月24日付の続きです。
お断り=当時の政治情勢や世情などは考慮せず、ただ単に
「昭和初期の、鉛活字組み活版新聞紙面はどーなっていたのだ?」
に注目しました。
紙面は「激動の昭和史を読む/太平洋戦争の記憶」(アシェット・コレクションズ・ジャパン発行)の毎号コレクションズから。
というわけで、復刻新聞紙面に驚いたぁ~シリーズ第17回】


【 讀賣報知新聞・昭和二十年二月十八日付篇④ 】=写真
● 活版で、途中から倍半(1.5倍)変換はタイヘンなのだ、の続きなのだ( 活版時代での作業工程⑴~⑷はきのう9月24日付に )

⑸ 製作局文選課が手拾いした1.5倍活字を受け取った植字工員(*1)は、
鉛活字ゲラと整理発モニターの指定行を探す。

⑹ ベタ鉛活字を抜き取り、ポイッ(捨てちゃう)して、
拾われた1.5倍活字を差し替えていく。

⑺ この作業で少し〝問題〟になるのは、インテル(行間をつくる金属片)。
1990年代には、
15倍1段13字詰め・行間55インテル
の頃があり、同鉛活字1文字の左右幅が121ミルスだった(*2)

当然、1.5倍(天地左右132ミルス)活字を差し替えると、きれいに揃わないことがあった(当然、天地もやや不揃い)。
▽1段13字詰め鉛活字サイズ=天地101ミルス・左右121ミルス
▽倍半(1.5倍)活字サイズ=天地132ミルス・左右132ミルスの正体(せいたい)

⑻ キレイな紙面づくりを心がける大組み工員(*3)は、
「むぅ~………」
と、鉛活字ゲラをにらみ唸るのであった。
…………長くなったので、続く。

(*1)植字工員
新聞社によって製作局の体制は異なるが、植字だけを行う工員がいた社はすくなかったのではないか。
だいたい、大組み工員が時間によってシフトしていた(大組み開始時間になると、大組み専従)。

(*2)13字詰め鉛活字1文字の左右幅が121ミルスだった
整理部と大組み工員には評判が良かった文字サイズ。
この13字詰め文字と55インテルを合わせると、ぴったり2倍(176ミルス)になるという、かなり計算しやすい左右幅だった。

(*3)キレイな紙面づくりを心がける大組み工員
〝倍数組み〟を行っていた新聞社の活版から来られた途中入社のかたは融通をきかして組んでいたが、
〝行数組み〟をしてきた工員のかたは、ゴム製エプロンに白墨を持っていて、大組み台でよく計算していた。
例えば、左右121ミルス文字に33インテルを合わせて組むと、差はいくつか?と
ぴったり合うインテルを計算して組んでくれた。
ド新人の頃、計算していた大組み者を見て
「職人だよねぇ~」
と思った。



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