まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

鞭声粛粛

2024-08-21 | 昭和のど真ん中
お盆に我が家で娘家族全員が集合。
宴たけなわになった頃、娘が最近観た映画「ラーゲリより愛をこめて」が泣けたという話から、戦争の話になった。わたしも「ラーゲリ・・」は、観た。
二宮一也の好演。高校生の孫たちは「はだしのゲン」を読んだということから、原爆投下と敗戦、特攻の話に発展し、わたしが、「Tじいちゃんは、志願兵になって鹿屋の航空隊にいたんだよ」「K爺ちゃんの兄さんはロシアで捕虜になって、何とか無事帰ってきた・・」という話をした。夫の父親は中国にいた。
高校生の孫達はへぇ~!!と、驚いていた。孫たちにとってはひい爺さんの話だから遠いけれど、私にとっては戦争は知らないけれど親を通して戦争を考える。

そう言えば、父は湯船に浸かって、よく軍歌を歌っていた。
「父よあなたは強かった♪ 兜もとかす炎熱を~」
「うみゆかば~ みずくかばね~♪ やぁまゆかば~草むすかばね~」
そして、時折「べんせい しゅくしゅく ~~~よる かわを~~わたる(鞭声粛粛~夜河を過る~)」を、唸っていた。
小学生だったわたしは、どれも軍歌の仲間だと思っていたが、べんせいしゅくしゅくは、川中島の戦いの詩吟だったことを大人になってから知った。
湯船に浸かっている時しか歌わないし、軍歌にしては「弁慶しくしく~」とも聞こえたし変だとは思っていたが。
この頃はYouTubeで聴けるので、改めて聴くと涼しいのだ。
「川中島吟詠」琴の音と笛の音が、川が流れているような感じで、吟じる声が涼やかなのがいい。
暑いので、聴いていると涼しくなる曲は「美しき青きドナウ」がいいかと思っていたが、吟じる張りのある声と笛と琴、この三拍子揃ったものがいい。
琴の音は、水が跳ねるような涼しさがある。
この渋さがいいということは、年を取ったせいか。
父が吟じていた年をずっと超えてしまった。
いつの時代も戦いがあって、いつまでたっても戦いは終わらない。
すんでのことで終戦を迎えて無事父が帰って来たからわたしがいる。
娘がいる。孫がいる。





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