sugger's blog@三宅島

三宅島に移住して18年目になりました。
自然ガイドHitomiが島暮らしのことや三宅島の魅力をお届けします♡

ビーチにたどり着いていたもの

2006年05月20日 | 鯨類
今回の三宅島滞在中にこんなものが島のビーチに辿り着いていました。
なんと!!!これなんです!!!



既に白骨化してしまっていましたが、クジラだったんです。
イルカやクジラが岸にのし上がったり、漂着したりする事を
ストランディングというのですが、私達が行く数日前には
腐敗した肉片などもあったそうです。
 (今回のストランディングデーターは既に財団法人鯨類研究所に報告済み)
臓器だと思われる組織や脂肪などがあったものの、クジラ自体が
白骨化してしまっていたので、外部形態で種を判別する事は難しいが、
表皮や肉片があればそれをサンプルとして鯨類研究所に送り、
DNAによって種を同定する事ができます。
どうにかサンプルを採取したかったのですが、送る為の容器などを
何も持ち合わせていなかった事と、腐敗していて異臭がひどかった為
できませんでした。 しかし、島のMさんが私達が行く2日程前にこれを
浜で拾ったそうです。 

 

これ何だと思いますか?上部が1/3程磨耗していますが、
クジラの歯なんです。
脊椎骨の大きさとこの歯から推測して、今回浜に辿り着いた
クジラは 「マッコウクジラ」だと思われます。

 

このクジラは下あごにしか歯が生えていないのですが、
大きいものだと15cm~20cmにもなる円すい形の歯が特徴です。

2000年の冬にも三宅島の坪田港沖で漂流しているマッコウクジラを
船で観察しに行ったのですが、その時は何者かに食べられた跡があり
口の周りから流血し異臭が漂っていました。
(生々くてすみません。画像はさらに生々しいので載せないでおきます)
10m弱ものマッコウクジラの背中には海鳥が数羽のっていて休息して
いたのですが海の生態系で高等動物であるクジラも死んでしまっては、
海鳥たちにとっての単なる孤島にしかすぎないという光景を見ていたら、
弱肉強食という自然の厳しさをリアルに感じてしまいました。
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