負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

かきのもと・もってのほか・阿房宮の誘惑

2006年10月21日 | Weblog
このブログにコメントを寄せていただいたYUJI様とのやりとりで、ふしぎなことがあったのでご報告までに。発端はYUJI様のブログに引用された、菊は「古く唐(今の中共)より渡米したものであるが、今は国華とされている」でした。出典は『学生版牧野植物圖鑑』昭和二十四年三月、新訂、口語訳、昭和 四十二年、北隆館とのことです。

お気付きのように、「渡米」に使われた「米」が「渡来」の「来」の誤植です。わたしも同書の最新版(平成16年版)を参照してみましたが、小さな文字をルーペでのぞき込んでも「米」としか見えません。牧野博士の旧版植物図鑑を現代表記に直した出版社サイドの誤植でしょう。あれだけ有名な図鑑が長い間、誤記のままであったこと自体が驚きです。

YUJI様のブログには、「食用菊は新潟の『かきのもと』、山形『もってのほか』、青森~岩手の『阿房宮』など、独自の品種があり、生産が盛んと聞いております」とも書かれていました。生まれて初めて聞くなまえで、なまえのふしぎさ、その由来に興味を掻き立てられました。なまえを聞くだけで、食べたくなってきます。

ついでですが、図鑑にある「国華」は、鎌倉時代(承久年間)、菊を愛した後鳥羽上皇が決めたとされています。いまの天皇家の紋章です。これをきっかけに、菊の花が生きた薬草から別の存在へ変わって生き始めました。・・・もう菊の花にも花疲れ。これでおしまいに。