繰り返しますが、会社は「金儲けのためのシステム」そのものなのです。株式会社それ自体が営利を目的とする以上、企業運営を委ねられた会社経営者の関心事といえば、いかに事業の機会を的確につかみ、上手く商売をして金儲けをするかという点に集中します。
要するに、いかに簡便に金儲けのための元手を集め(資金調達の便宜)、上手く商売を行うか(効率的な企業経営の実現)が、会社経営者にとっては最も重要なのです。資金調達や企業経営の効率性・機動性に反する事柄は、すなわち会社の不利益となります。
より上手く金儲けをするために企業の運営を担っている会社の執行部にとっては、企業経営の機動性や資金調達の便宜に対する足かせが大きな負担となります。つまり、会社側、とりわけその執行部にとって保護すべき利益は、会社経営の機動性と合理性の確保、それに資金調達の便宜という点に要約されるのです。
ところで、株式会社は、現代の資本主義経済社会における重要な取引主体です。したがって、こうした会社経営上の利益を保護することが、間接的には資本主義経済の活性化や発展に資することにもなります。このようなマクロ的な視点も忘れてはなりません。
(次回に続く)