絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

ベルサイユ宮殿を歩く

2009-09-28 | 美術
私は、ベルサイユ宮殿には、団体の観光バスで行くことが多かったですが、一度だけ電車で行ったことがあります。電車で行く方がよく分かりますね。

駅で、降りてから、どのように歩いて行ったのかがわかるので、バスで連れて行かれて、着きましたよと言われるより良く分かります。

駅の改札を出てから右に歩いて、その後、左に折れて、後はまっすぐという風に歩いたと思います。最後の道は東から西に向かったようです。

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ベルサイユの門は、金色の門で、よく観光雑誌でみるおなじみの門です。

地面は、全て石が敷き詰められています。割と小さい石が並べられていて、今はもう凸凹になっていました。ルイ14世が作ったときは、これがビシッと平らに並んでいたのだろうと想像しました。ヨーロッパを旅するなら、石が多いから運動靴のようなものが良いですよと、よくアドバイスされますが、正にその通りで、ここは女性の靴では足をひねる可能性が大きいです。

入って行くと、前庭の中央にルイ14世の騎馬像が立っています。そこで記念写真を撮る人が多いです。この宮殿は、最初はルイ13世がタカ狩りに出て、休憩したくなったときに、ここに宮殿があればいいと言って作らせたそうですが、このような立派な建物にしたのは、ルイ14世です。太陽王と言われて、絶対主義の政治を行いました。


部下に、「お前は、何歳だ?」と年を尋ねたら、「王の仰せのままに」と答えたという話が有名です。何でも王の言うがままになったという例え話です。

ベルサイユの建物は、正面から見ると左右対称で中央が凹んだ形になっています。丁度凹むという字の形ですね。そして、その凹んだ右側が見学者の入口になっていました。
気がついたのは、壁と柱と窓がありますが、その壁の部分に一つづつ彫刻があることでした。大理石でできているのだろうと思いますが、丁度美大受験生がデッサンをする石膏像のような形の物がたくさんあるのです。

ああ、こんなところから石膏にしているのだなと妙に納得しながら、見ていたら、なんと、パジャントがありました。私はおもわず、ああーーと声を出してしまいました。あのパジャントはここにあるのかと。パジャントをご存知の方は、行ったらせひ探してみてください。入口で待っている間に見つかります。見つけたら嬉しいですよ。

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中に入ると、階段を上がってすぐの部屋は、すこし広めの四角い部屋で、天上の絵が注目に値しました。その天井画は本当に下から見上げたような描き方をしていて、天に向かって空間が開けていました。まるで空を見上げているように描かれているのです。

その隣の部屋に行くと、下の階が見下ろせました。吹き抜けの大きな部屋です。そこは、マリーアントワネットとルイ16世が結婚式を挙げた部屋だと説明されました。きれいな花柄の正にロココというデザインの部屋でした。


そこから、もう一度最初の部屋に戻って、西に向かっていくと、ルイ15世の肖像画のある部屋、古い時計のある部屋、ベルニーニが作ったルイ14世の像がある部屋などと続いています。

団体で行った時は、ガイドさんに連れられて、スーッと流れるように説明をされて、出てきましたが、個人で行ったときには、ちょっと面白いことをやってみました。ある場所に止まって、ガイドさんの説明を聞くのです。そして、団体が行ってしまってもそこに残っていて、次の団体のガイドさんの説明を又聞くのです。要するに聞き比べるのです。そうすると、説明が微妙に違ったりするのです。これは面白いですよ。それを多くすればするほど、詳しくなる気がしました。

これは、どこでも同じことが体験できるので、ぜひフリーで行った時には、聞き比べをしてみてください。

とりあえず、そんなことをしながら、西に進むと、最後は嫌でも左に曲がります。
そこが、有名な鏡の間です。きれいな大きなシャンデリアがある部屋です。
壁の左側は、一面の鏡です。右側は、窓になっていて、有名なベルサイユの庭が見えますが、今は、それどころではありません。この有名な鏡の間にいる幸せを感じて、しばらくは、見とれてしまう美しさです。


ここで、ベルサイユ条約もあったのか、とか、しかし、ダンスパーティーの方が想像されますね。

長さは70メートルだと聞きました。

ガイドさんが、その場でクイズを出すのです。それで、覚えました。

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鏡の間を過ぎて、また左に曲がり、東に戻ることになります。

そこには、寝室がありました。説明を聞いて驚いたのは、ここで、マリーアントワネットが出産をしたということでした。それを部下たちがみんな見ていたというのです。確かに男の子が生まれたかどうかの承認になるためだそうです。


ウソをついて、ごまかされないようにするためだと説明を受けました。

そして、更に、そのまま東に向かって行くと、有名な絵が出てきました。ルーブルで見たナポレオンの戴冠です。ダビッドが描いたとお話しました。

一か所だけ違うところがあると説明しましたよね。
どこだか、覚えていますか?

そうです、画面の左に5人の女性が立っていて、一人だけドレスの色が違うのでしたよね。左から二番目の女性の服がピンクなのです。これは、ダビッドの恋人らしいですね。私はナポレオンの妹だと聞いたことがありましたが、間違いだったようです。なぜ、こんな大きな絵が二枚描かれたのか?ということを考えたとき、自分用に描いておきたかったからだとどこかで読んだ気がします。
確かに、自分用ならダビッドの恋人が描かれるのも納得がいきますね。

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ただ、ここは美術館ではないから仕方がないのですが、照明が暗くて腹が立ちました。下がっている電気も邪魔で、どこから撮っても反射してしまい、きれいに写真が撮れませんでした。

私が初めて行った時のベルサイユ宮殿は、これでおしまいでしたが、その後行った時には、一階に降りてから、南側に部屋があり、そこには、たくさんの大きな油絵がありました。説明ができる有名な絵はありませんが、大きさと、レベルの高さはダビッドに負けないようなすごい絵ばかりでした。

私たちは、かなりの絵を画集で見ているわけですが、ほんの一部しか見ていないのだと思い知らされる気がしました。こんなにもすごいレベルの絵がこんなにもたくさんあって、ほとんど知られていないという事実。紹介しきれないほどたくさんあるのだということです。驚きますね。

庭も歩いてみましたが、長くなるので、また、後日にしたいと思います。
読んでいただいてありがとうございました。





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