絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

県展制作 10

2010-03-31 | 県展指導
石膏を描いているSさんが絵を進めてきました。

しかし、まだ問題がたくさんあるので、アドバイスをしました。
そして、どのようになったか、比較してください。



1、石膏の明暗を描きこみました。
2、左の樽にかかる布の明暗を強くしました。
3、上から下りてくるつたの葉に光を当てました。



石膏を描く場合は、顔が命ですから、顔を緊張させることが大切です。
美術を志す人は誰でも石膏デッサンをするので、きちんと描けないと力を見抜かれてしまいます。だから、難しい題材なのです。素人はできれば避けた方が良いでしょう。
しかし、このSさんは、もう県展に二年連続入選しているので、そろそろ難しい題材に挑戦してもいいかなと思って、描かせました。しかし、苦労しています。

Sさんの考えは、石膏を描く場合は、紙の白さを生かして描くのだと思っていたそうです。
絵具の白は使わないと思っていたのだそうです。

どうも、インチキの水彩画講座が多いので、そういう勘違いをしている人が多くて困ります。そんなやり方じゃ軽い絵にしかなりませんよと強く言いたいです。

じゃあ、なぜ絵具の白を売っているのでしょうか?また、黒は使わないと教える先生もいるようです。印象派は黒を使わなかったと言います。そのやり方をするなら、それでもいいでしょう。しかし、聞きたいのですが、灰色はどうやって作るのですか?

白と黒で灰色は作ります。黒を使わないで灰色を作って見せてほしいです。

また、いろいろな色の彩度を落とす場合に灰色を使わないでどのように彩度を落とすのでしょうか?灰色以外の色で彩度を落とす場合は、色味が違ってしまいますよ。

ーーーーーーー

という訳で、今回の指導は、石膏の明暗を描くのに、白と黒を使って、灰色のいろいろな段階を作って、塗って行くことを教えました。ただ、灰色と言ってもただ白黒だけでは、冷たい味のない色のなるので、少しだけ青を加えた灰色にしました。








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県展制作 9

2010-03-31 | 県展指導
Nさんが、絵を進めて来ました。

構図は良いので、後は描きこみ次第なのですが、まだ、一つ一つの物のデッサンが足りません。離れて見たら、県展には十分に入選できる絵になっていますが、近づいて見られたら、描けないのが分かってしまいます。だから、ここからは、デッサン力です。
それは、自分で努力する以外にありません。

指導者としては、苦しい所です。描いてやるわけにはいかないので、苛々します。
県展じゃなければ、もういいですよ、すばらしいですと言って終わりにしてもいいのですが、埼玉県展は甘くありません。

だから、日頃からもっとデッサンの勉強をしなければならないのです。

今回は、柄のある布が描けないので、いっそのこと隠してしまったらどうでしょうかとスケッチブックで隠してみました。その方が落ち着きます。
しかし本人は、柄がある方が良いというので、このまま進めることにしました。

その点は、本人の意図を大事にしたいと思います。しっかり描ければ、柄があっていいねと言われると思います。

見比べてください。

 
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