絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

人形の絵 50号下書き

2009-09-16 | 絵画指導
先日モデル組みをした人形の絵の下描きが出来ました。

鉛筆で描くだけですが、結構大変で、1ヵ月かかってしまったそうです。
しかし、よく頑張りました。ご覧ください。

この時点での注意点は、

1、人形が平面的です。影をつけて立体感をつけないとボリュームが足りません。
色をつけるから、その時でも良いのですが、ある程度、デッサンの段階でも感じさせておかないと描きにくいかもしれません。

2、左上の植木鉢が目の高さに近いとはいえ、直線的です。もう少し膨らみをつけないと見下ろした感じがしません。下の四角い台の上の面の見え方からすると、もう少し膨らみがありそうです。

3、バイオリンは良く描けています。立体感も出ています。

4、下の植木鉢の見下ろし方も、それぞれ微妙に丸みが違っていて、調整する必要があります。床の面を感じさせるのは、この植木鉢の丸みなのです。だから、安定した床の面を作るには、この丸みはしっかりさせる必要があります。

5、他の物は結構よく描けていると思います。一番気になるのは、人形の表現です。足がつま先立っていると感じます。立体感がないから余計にそう感じてしまいます。

6、人形の腕が緊張して体に張り付いているように感じます。もう少し楽にして、
余裕を持たせたいです。手が少し小さいように感じます。あまり小さいと貧弱に感じますから、顔との大きさの関係を見ましょう。

7、この段階で、それぞれの物の影を描いておくといいかもしれません。
左から光を設定しているので、床に落ちる影を右側に描いておくとよいと思います。光と影を描くことで、物と物との関係がきちんとします。どの物の影がどのように他の物にかかるかによって、物と物の位置関係が決まるのです。それがわかると、空間がよく描けるようになります。


大体このくらいを気を付けてください。
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麓原会

2009-09-16 | 美術
麓原会とは、本庄市を中心に活動している絵画団体である。

この会は、古川弘先生を中心に、本庄市児玉郡に住む4人の画家たちで発足した。古川先生と言えば、日本でも有名な水彩画家である。亡くなって、33年が経つが、先生が遺してくれたこの会が今でも続いている。

そして、この会は、年に一回公募展を開く。11月3日の文化の日を入れて、その前後の日曜日を含めて開催される。

規模としては、一般の出品が多い時で、150名くらいなので、どこかの市展くらいであるが、どこから出品しても構わないので、全国展と言ってもいい。もっと言えば、世界のどこから出品してもいいのだから、世界展と言っても間違いではない。

このような展覧会を地方で開いているのは、珍しいと聞く。
大抵は、全国展を開いている会の地方展という形で、~会支部展という形だという
。または、~市展という形である。
本庄市は、麓原展があるために本庄市展にならなかった。市展を開くまでもなく、それに該当するものができていたからである。

先に述べた古川弘先生は、白日会という会に所属し、日展にも出品され、日展の審査員にもなられた素晴らしい先生である。だから、初めは、その弟子たちもみんな白日会に出品したらしいが、その内、違う会に出品する人も参加してきて、今では、かなりいろいろな会に所属している人がいる。会員、会友を合わせると今は、60人いる。

だから、地方にこのような会があることは、珍しいのだと聞いた。

ーーーーー

会の発足は、戦後の混乱期で若者がやる気を失って、意気消沈していた時に、元気を取り戻そうと、絵を通じて本庄児玉に文化の灯をともせという意味で、始めた会だったと聞いた。
その意味では、麓原会は、大きな役割を果たして来ただろうと思う。

日展に水彩画で入選する人は、約30名くらいである。そんな中に、麓原会の人が4人も含まれていたことがある。3人は常に常連だったから、或る意味で、その日展の水彩画を支えていた会でもあった。

現在、私もその会に入れていただき、活動しているが、私の生徒たちも大変お世話になった。本庄第一高校の美術部が発展したのは、この麓原会のお陰である。

私が、生徒たちに本格的な水彩画を指導できるのは、この古川先生から教えていただいたことが大きいのである。



コメント (2)
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