ガチャガチャー
玄関キーが開く音と、
夏用の扉を開ける音がしたような・・・
まだ目覚めきらず頭の中でぼんやり思っていた。
廊下を歩く音とトイレの流す音・・・
はっと目を開けると、廊下に息子が突っ立っていた。
居間のクーラーが私の部屋まで来るように開け放されている。
どうしょうかなぁ という顔の息子。
「どうしたの?」
用紙を薄いプラスティックで挟んで熱を加えると下敷きみたいになる機械が私の部屋にあり、その作業をしたいようだが、私が寝ているので電気を点けると・・・・音もするし。
「いいよ。お母さんあっちの部屋で寝るから。」
夜中の一時。
枕と上布団を持って、クーラーで冷えた寒い居間の横の和室に行った。
夫が半分畳の上で大の字に寝ている。
私用の布団を敷くのも面倒なので、私も足だけ畳に出して夫の布団に枕を置いた。
寝がえりで私の頭に夫の腕が乗る。
ええい、と跳ね除けると、はっとしたような気配。
一瞬起きたけど、すぐに寝たようです。
ふと目覚めると2時半。
しーんとしている。
息子が帰ったのだ。
枕と上布団を持って部屋に戻った。
仕事帰りに、たまに作業に寄ることがあるけど今日はずいぶん遅い時間だな。
明日も普通に仕事があるのに。
若さで乗り切っているのだね。
5時半、夫が廊下に突っ立ってこちらをうかがっている。
はてなマークの顔をしている。
夜中に何かがあったはずだが・・・
知らない、言ってやらない。
と思っているうちに寝てしまった。
次に起きると夫が出勤した後だった。
今日もやっちゃったーごめんなさい。
しかし、廊下に突っ立っている姿が同じ姿勢で、父子だな、と可笑しい。
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