素(す)ブログ

食べられない おにぎり


以前書いた おにぎりも幸せ で、今回もおにぎりの話になります。

他人が作ったおにぎりが食べられない人がいます。
うんうん、気持ちはわかりますよ、気持ちは分かります。
気持ちだけは分かっていました。

他人が作ったおにぎりって、この年になると、そんな場面も無くなって、
私、握る人になってました。

しかし、いざ自分がその時になって 食べられなかった。


日曜日の朝から有名人の講演会があり、話を聞いて笑ったり泣いたり楽しい時間を過ごしました。
私はお昼で帰ると事前に伝えていました。
友人は昼の部も観たいから、じゃあ、ここでさようならしましょうとなりました。

すると、バックの中からごそごそと紙袋を取り出し、

「はい!」

「・・・へぇ?何これ?」

渡された紙袋を受け取りながらたずねた。

「これ、おにぎり、食べてね」

「へ?」

「私、昼の部が始まる前に食べようと思ってたけど、食べて!」

「いやいやいや・・・そんな・・・食べて下さいよ、私は帰りますから・・・」

「いいのいいの」

「いやいやいや」

横にいたもう一人の友人も、お昼の部に残るので、
どうぞどうぞ、あなたが食べてくださいと紙袋を差し出すと、

「いやいやいや、どうぞどうぞ」

じゃぁ私が・・・

(これって、ギャグの逆さバージョン? どうぞどうぞ、じゃぁ私が。)

どうぞと渡されたものを、二回三回断っても勧められると、断りきれない。

中をのぞくと・・・・・????なんじゃこりゃ?

「これ、プルーンのジャムが入ってるのよ~」

ラップに包まれた小さなおにぎりらしきものが二個。
茶色っぽいご飯に眉毛みたいな黒っぽい筋があちらこちらに。
この眉毛がジャムの筋なのだ。

渡した方は、体に良い物を食べてもらえるから幸せ。

渡された方の私は、
この茶色い顔みたいなおにぎり、味の想像がつかない。
いつ作ったのか、今の時間はお昼の1時、逆算すると6時間近くたっている。
それに今から家に着くまで1時間かかる。

お昼は都会のおしゃれなカフェで一人で過ごそうと思っていた。

「じゃあ、またね」

とサヨナラしながら、
どーしよう・・・
とぼとぼ歩きながら、どうして、断固として断らなかったのだ、彼女はこのおにぎりが好き、私は不気味。
そう、優柔不断な私が、弱すぎ。

まっすぐ家に帰り、シャワーを浴びてからしみじみおにぎりを見る。

 食べられない

でごめんなさい、農家の皆さんごめんなさいをしました。


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