末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

昨日の議案第52号に対する反対討論

2012-06-30 06:04:53 | 議会闘争
議案第52号「八尾市印鑑の登録及び証明に関する条例等の一部改正の件」に反対討論を行います。

 すでに八尾市から、外国人住民に対して5月7日を基準日にした「仮住民票記載事項通知書」が送られてきています。この議案は、7月9日の「在留カード」導入にあわせて条例を改正するものです。「在留カード」は在日・滞日外国人にたいする新たな管理強化をめざしたものであり、全労働者の9割を非正規職にする究極の新自由主義攻撃です。この条例はこれを推進するものであり認めることはできません。

 反対理由の第一は、「在留カード」制度が、厳罰を振りかざして外国人の治安管理を強化する新たな在留管理制度であり、日本人労働者と在日・滞日外国人労働者とを分断し、労働組合に結集して闘うことを許さない攻撃だからです。

 反対理由の第二は、今回の「在留カード」導入の狙いが、170万人もの「3ヶ月をこえる在留資格を認められている外国人」を「中長期在留者」としてまとめ、居住、就業など一切の動向を法務省が掌握し、外国人労働力を運用し一元管理するからです。

 この「中長期在留者」に交付されるICチップつきの「在留カード」には、常時携帯義務があり、「受領拒否」や「提示拒否」すれば「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」、「不携帯」は「20万円以下の罰金」、「届け出で内容に変更が生じた場合、14日以内に届けなければならず、届け出ずに90日を終えた場合、在留資格がとりけされ、収容・退去強制となります。
同時に雇用主に「在留カード」で「就労資格の有無」を確認する事を義務付け、違反した場合、雇用主が罰せられます。

 反対理由の第三は、「在留カード制度」が、日本人、在日・滞日外国人を問わず、全労働者にかけられた9割非正規化の新自由主義攻撃だからです。
 
 これまで日本政府は、安価な労働力確保のために、外国人労働者の計画導入を進めてきました。91年には研修生を招請できる企業の枠を広げ、共同組合など業界として導入すれば5人以下の中小零細企業でも研修生を迎え入れることを可能にし、04年3月には派遣が製造業に拡大され、全労働者の非正規職化が激増しました。09年の入管法改悪で「研修」と「実習」に分かれていた在留資格を「研修・技能実習」にまとめその数は14万人に増えました。その人たちを今回の改悪で「中長期滞在者」として「在留カード」で管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力として確保しようとしているのです。
 
 政府はこうした外国人受け入れを「国際協力であり、国際貢献だ」と主張していますがとんでもありません。その実態は「現代の奴隷労働」です。

 3.11大震災時、青森、岩手、宮城、福島、茨城5県で被災した外国人は約7万5千人。中国人3万2289人のうち約1万3千人が研修生・技能実習生でした。漁業、水産加工、農業、繊維などの業種で「時給300円」の低賃金で地場産業に従事していたといわれます。さらに福島第一原発をはじめ、がれき処理などの被曝労働に従事している外国人労働者も多く、2ヶ月で50万円の解体作業に雇われて働いていたが、賃金が支払われないなど、文字通りの使い捨てが横行しています。 

 これは労働者の9割非正規職化という「日経連」路線の具体化であり、労働法制を解体した「復興特区」に導入する労働力として技能実習制度の推進・強化がもくろまれています。絶対にゆるすことはできません。
 
 事態は八尾市でも同じです。2009年3月の「八尾市外国人市民情報提供システム調査報告書」によると、八尾市の在日・滞日外国人は7053人で、大阪府では大阪市、東大阪市、堺市に次いで4番目に多く、特に、中国籍市民は1980年代以降、中国残留邦人等の永住帰国者を八尾市内の府営住宅で受け入れて以来、親族等の呼び寄せもあいまって、81年の103人から2008年には1486と増加。最近ではアジアを中心とする国々からの研修生なども増えており、2008年12月末現在で46カ国に及んでいます。雇用形態は「パート、臨時雇用、アルバイト、派遣」が34.9%ともっとも多く、「無職」が18.4%、「常時雇用」は14.6%に過ぎません。ここに非正規職、不安定な雇用の実態が現れています。
 
 私も呼びかけ人の一人となって、毎年4月に東西で「外国人登録法・入管法と民族差別を撃つ研究交流会」を開いて、国際連帯を深めています。

 動労千葉の田中委員長は、この集会で次のように発言しています。「新自由主義が日本で始まったのが国鉄分割・民営化。以降、1500万人が非正規職に突き落とされ、挙句の果てが原発事故です。しかも『復興特区』で全部非正規職化していく。そのときに真っ先に首を切られるのが外国人です。だから在留カードです。在日・対日外国人が在留カードに怒っているのと同じだけ日本の労働者が怒らなければならない。敵はひとつ、目的もひとつ!新自由主義と対決して団結を取り戻そう!労働者が団結して社会を変える力が労働組合だ。労働組合を復権しよう!」と。
 
 八尾北医療センターには、府営住宅の中国人が多く受診されます。私や八尾北労組を軸にして、昨年9月から中国人講師を招いて日本語学校を開き、日本語と中国語の勉強に取り組み、お互いの言語を覚える事から、国境、国籍をこえた団結を勝ち取る闘いを開始しています。
 
 4月18日には、入管集会に来日した、民主労総の保健医療労組ソウル本部と交流会を持ちました。
 このときの本部長の言葉を借りると、八尾北医療センターは、「労組が地域と団結している。老若男女が広くつながっている。動労千葉と連帯して全国とつながっている地域の拠点」です。
 
 八尾市に勤める労働者の皆さん。入管法=「在留カード」攻撃と八尾市の800事業丸ごと民営化、道州制、労組破壊、9割非正規化の攻撃は一体です。
 八尾北明渡判決で全面勝利した八尾北労組と繋がって、闘う労働運動を復権させましょう。
 「在留カード」導入を粉砕し、在日・滞日労働者との国際的団結を作り出していきましょう。

以上のことを訴えて反対討論を終わります。



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