末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

8月18日崇仁住宅裁判報告

2015-08-27 15:52:08 | 生きさせろゼネストへ
■崇仁住宅裁判に50名が結集!
全国水平同盟ブログ 2015年8月26日

崇仁支部(準)のAさんが感動的な意見陳述を行う
8月18日は、午後1時から京都市長に対して、住宅追い出し反対の署名996筆を提出、住宅管理課に対しては3回目の申し入れを行いました。さらに朝日など三社がが参加しての記者会見を行いました。
そして午後4時から崇仁住宅追い出し弾劾第1回裁判闘争を闘いました。
法廷では、Aさんが、感動的な、渾身の意見陳述を行いました。
陳述書を掲載します。

意見陳述
2015年8月18日


(1)経歴など。

 京都市は、崇仁市営住宅第○○棟○○号の明渡請求訴訟をおこしました。この裁判を闘うにあたって、私の思いを述べたいと思います。
 私は、1961年(昭和36年)12月に父○○、母○○の長男として、崇仁で生まれ、崇仁市営住宅○棟○○号において、両親と同居して生活していました。その後、私は母と弟の三人で○棟○○号で暮らしました。
地元の崇仁小学校、皆山中学校を卒業して、1980年(昭和55年)に京都市の現業に就職しました。その時の私の仕事は清掃局でした。1992年(平成4年)にA県の運送会社に転職しました。住居もA県に移しました。そこでは長距離トラックの運転手の仕事です。地元には盆正月やひとり暮らしをしている母の様子などを見るために度々帰っておりました。
 母は、○棟の改良住宅の更新に伴い、2011年(平成23年)3月に本件家屋を京都市から賃貸して転居しました。これが現在の○○棟(本件家屋)です。この頃から、母の調子が悪くなり、母の事を考えると地元に戻り、一緒に暮らすことを考え、A県の運送会社に大阪支店があるので、大阪への転勤願いを出しました。大阪支店に欠員がないと理由で転勤は叶いませんでしたが、時間を作っては地元に帰るように努めました。
 2013年(平成25年)11月、仕事中にけがをして、京都市内の病院に入院しました。退院後の2014年(平成26年)2月頃から本件家屋で母と同居し始めました。
 私は、事故の後遺症を抱えながら、母の身体のことを思って、仕事を辞めて、A県で借りていたマンションを整理して、住民票も地元に移動するなど、地元に戻る準備を始めていました。ところが、母は3月6日に、胃癌のために入院し、3月23日に腸壊死のために亡くなりました。
 母の葬儀を済ませ、しばらくして、2014年(平成26年)4月上旬頃、京都市住宅供給公社の担当者が訪問してきました。担当者は私に対して、入居承継の資格がない、本件家屋からの退去を言ってきました。私は驚きました。担当者が言っている入居承継の資格とか、申請とかの話は初めて聞くことばかりでした。その後も、入居の承継を願う私の主張には一切耳を傾けず、住宅供給公社の担当者や京都市住宅管理課は本件家屋からの退去を求め続け、「期日まで退去しなければ裁判にかける」「あなたは必ず負ける」「被告の家財道具等の撤去費用は被告が負担することになる」「今回のケースでは、みんなおとなしく退去している、居座り続けているのはあなただけだ」等の脅しともとれる言動で私は本当に不安になりました。なお、本件家屋の賃借家賃も母死亡後も払い続けていました。京都市もそれは受け取っていました。
 労災事故の後遺症を抱え、仕事も辞めている状態で、この家から追い出されてしまっては本当に生きていけないです。京都市はそんな状況を重々承知しながら、「入居の承継の手続きがない」という一点で追い出そうとすることに怒りを感じました。また、私の知っている限りでも何人かは、私と同じように承継権がないと京都市に言われて、なくなく諦めて退去していった事例があります。
 私は京都市の脅しや嘘には決して屈しません。現に私が闘い続けているから、同じ目に遭っている東三条の女性と合流して団結して闘いを始めることができました。公になっているだけでも市内ので、私のケース同様に20件以上も懸案事項になっていると聞きました。これは単に私だけの問題ではないということです。だからこの裁判で京都市の行政のデタラメさと矛盾について全面的に明らかにしたいと思います。

(2)本件家屋について。
 続いて、改良住宅について。私の両親も昔、崇仁地区に住居を構えていました。敗戦当時、この辺りは「バラック集落」と呼ばれ、当時国鉄東海道線・奈良線の南側の4町だけでも、500世帯以上が居住していました。崇仁地区は劣悪な住環境におかれていました。敗戦後からの深刻な住宅不足について京都市は認識していましたが、何ら有効的な手段を講じることなく、道路、河川敷にバラック小屋を建てることを「黙認」することで行政の怠慢を開き直っていました。
 しかし敗戦後からの衣食住を確保する闘いが労働者階級の「生きさせろ!」の激しい闘いとして発展して、公営住宅建設を勝ち取ってきました。
 同時に日雇い労働や、いわゆる「バタ屋」と言った不安定雇用から脱却するべく京都市現業職への就労要求闘争や食肉市場の公的化などの闘いが進みました。
 住宅地区改良法が1960年(昭和35年)に制定されました。1954年(昭和29年)に京都市立と畜場使用条例・施行細則が施行され食肉産業の雇用形態が確立していきました。
 また、改良住宅建設の際に、私の両親らも含めて自らの土地・家屋、借地権、借家権を放棄して協力しました。本件家屋の更新前の住宅である○棟もこのような闘いの経緯によって建設されたものであります。
 以上の経過を見れば、私は、母名義の本件家屋の賃借権を相続して承継したものであり、当然京都市市営住宅条例24条1項による入居承継の承認は不要であります。同じく、京都市市営住宅条例23条1項による同居の承認も不要であります。

(3)最後に。
 そもそも今、住んでいる住宅から有無を言わさず追い出し、更地化していくことに絶対反対です。嘘とだましの新自由主義政策は金儲けのことしか考えていません。国家とか行政は、労働者がどうなろうとも関係ないと思っているのです。
 同居申請の手続きの有り、無しや行政の「条例改正」の周知不足以前に、まず言いたいのは、労働者の居住権を奪うな、ということです。
 崇仁地区では市営浴場の民間委託化の次には廃止が噂されています。そこで働いていた労働者はクビになるか低賃金の雇用に甘んじるかの選択しかなく、闘うしか生きる道を得ることはできません。家賃値上げもそうです。今、崇仁で起こっていることは、みんな同じです。地区からの住人の追い出しです。それが更地化です。京都市立芸術大学の移転や高層マンション建設など金儲けの政策を進めているのが京都市です。
 全国水平同盟崇仁支部準備会を結成した私たちは、この崇仁地区の現状はどこも同じであり、団結を武器に、「ひとりの闘いはみんなの闘い」を合言葉に闘いを広げ、京都市のやり方をひっくり返そうと進み始めています。京都市の提訴の異例の速さは、この闘いに対する恐怖です。地区内の団結と崇仁地区を超えて他の地区に拡大することへのうろたえです。私は絶対に負けません。
 最後に私たちの訴えを真摯に受け止めていただき、「命より金儲け」の京都市の行政のあり方に対して、法の良心にのっとった判決を出されることを裁判官に訴えて私の意見陳述を終わります。

<以下、京都市への申入書を掲載します。>
申 入 書


京都市長 門川 大作 殿
                 2015年8月18日

             全国水平同盟崇仁支部(準備会)
                        A
             全国水平同盟
                     委員長 久原 正子
                     同盟員 B 
             自立労働組合京都
                     執行委員長 魚谷 貞雄                          
 生存権及び居住権などは、本来国及び京都市行政が率先してその権利を守り、発展させていく義務を担っているはずである。にもかかわらず、それを市場化と競争原理の中に放り出し、居住の確保を個人の責任にして「命より金儲け」政策を推進しているところに根本的問題がある。私たちは、「生きる権利」を主張し、「生きさせろ!」の闘いとして、2回にわたって門川市長に申し入れをしたところである。しかし未だそれに対する京都市行政から誠実な回答を受け取っていない。再度申し入れをするので、文書にて回答を求める。

一、 2015年4月21日付申入書、及び同年7月2日付申入書に対する回答を求める。

二、 2015年7月2日の申し入れ時に、亡Cの養子Dの同居申請に関する調査を約束したが、その回答を求める。

三、 2015年7月28日付、B宛ての『市営住宅の明け渡しにつて』(勧告)に対して、抗議し撤回を求める。そもそもこの案件は現在係争中であり、原告代理人が弁論再開の申立中である。このような嫌がらせ、脅かしまで使って追い出し攻撃をかける京都市行政を弾劾する。

以上


以下、崇仁地区でまいている裁判報告ビラの本文を掲載します。

住宅追い出し家賃値上げも崇仁から追い出しだ!
追い出し=更地化に反対!地区を金儲けの道具にするな!

崇仁地区のみなさん!
京都市が追い出しを求めた崇仁住宅裁判がありました。本人は、「労働者の住宅を奪うな!」「生きさせろ!の闘いで建てた改良住宅を潰して、行政は金儲けの道具にするな!」
「住宅追い出しは地区に襲いかかっている家賃値上げ、市風呂廃止と同じだ」と意見陳述をおこない、裁判官と京都市は、圧倒され何も言えませんでした。
裁判で明らかになった住宅の追い出し(承継を認めない)は、地区の家賃値上げ問題と同じです。高い家賃を設定して、地区から若者を追い出し、お年寄りだけになり、いずれ空き家になる、"コーストタウンを京都市は狙ってい
ます。それが更地化です。
そこに住んでいる者のことなどていません。家賃や市風呂など、どこに相談に行けばいいのかわからない。交流もなく分断されバラバラにされているのが地区の状況です。一緒に声を上げましょう。
回結して、今の地区の現状を変えましょう!

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