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ナオトひとり Alone in Fukushima

2015-04-29 16:15:18 | Weblog

昨日新宿 K's Cinemaに見に行ってきました。5月1日まで毎朝10時から1回だけの上映です。

見に来ている人は殆どが年長者、若者も少しいました。全部で20人くらいいたでしょうか。

きっと皆原発禁止の人間ばかりだと思います。

ナオトさんは現在55歳、2011年3月 11日のあの日、発電所から12キロの所にある富岡町にいた。

原発が出来てから町は豊かになり、それまで出稼ぎで暮らしを支えていた人々も原発で働くように豊かな生活が出来るようになったと言う。

2014年3月政府は警戒区域の見直しを行い、ナオトの自宅とその近くにある牧場は「避難解除指示準備区域」となり午前9時から午後3時まで出入りが自由になった。ナオトは2011年3月14日から一人家に留まり動物たちに餌を与え始めた。

毎日牛に餌を与え、原発で飼っていたダチョウ。さまよっていたところをナオトに助けられ飼うようになる。最初2匹いたのだが一匹は脱走して捕まえたら、自ら頭を殴って自殺したそうだ。馬もいる。牛は子を孕み出産。そして餌も放射能を含んでいるのだから、牛も体が弱って死んでいく。見ていて泣けた。

特に涙が止まらなかったのは、ナオトが100頭以上もいた牛舎に案内したが、鎖に繋がれて死に絶えて行った牛達の白骨がずらりと並んでいる光景。

原発はいらない!この時心から思った。原発は人間だけでない、何の罪もない動物たちも置き去りにされ死に絶えて行ったのだ。

ナオトが放射能の影響で体に白い斑点が出来た牛を連れて東京にトラックで行き、皆に見てもらおうと下ろそうとしたら、警官たちが放射能をまき散らすからと断られる。勿論政府が禁止したのだろうけれども。

置き去りにされた犬や猫と暮らすナオト、動物たちに心の安らぎを貰っているのだろう。

4月綺麗に咲いた満開の桜並木、だれ一人いないのに植物は季節を忘れず咲き続ける。鳥もさえずり、夏にはかえるの鳴き声も聞こえ何一つ変わらないのに人間が一人もいない。あるのは高い放射線を出す原発からまき散らされた灰。

日本みたいに地震が多い国、しかも近き将来必ず地震があると言うのに、いまだに原発を再稼働させようとしている人々。余程懐が暖まるのだなと思わざるを得ない。

ナオトさんは撮影の合間に煙草を吸っていたが相当なヘビースモーカーのようだ。放射線の高い場所にいて肺がんにならなければいいがと心配になった。もし彼に何かあったらあと誰が動物たちの面倒を見るのだろう。

日本政府は彼の行動を認めないが、フランスや諸外国が彼の行動をそれぞれの国で報道して、海外では彼の名は広く知られているそうだ。

地図から消されようとしている町に続く命を1年近く見続けたドキュメンタリー。

この映画の製作、監督は中村真夕さん。