簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

長岡の花火

2012-08-08 | Weblog
 もう四半世紀以上も前の事で、どう言う経緯であったのか、俄かに思い出す
ことは出来ないが、ある日我が家に一枚の絵がやってきた。



 その絵は、もちろん本物で有る筈はなく、限りなく“本物に近い偽物”と言わ
れる商品で、あの「放浪の天才画家」として有名な「裸の大将・山下清」が描く
ところの、精緻を極めた貼り絵・「長岡の花火」である。



 作品には夏の漆黒の夜空に打ちあがる大小花火の丸い輪が幾つも、大胆に
そして色鮮やかに描かれている。それを見つめる何万もの犇めき合う群衆や、
信濃川の川面に反射するその花火などが、実に細やかに精緻を極めて描かれ
ている。



 この「長岡の花火」は、現地で間近に見た驚き、その時受けや強烈な印象、
脳裏に焼き付いた記憶をもとに、1950年(昭和25年)に製作され、彼の代表作
となった貼り絵である。清は前年の夏、ここ長岡の花火大会に訪れていた。



 以来この作品を見ていると、突然の花火の打ちあがる音や、群衆のざわめき
が聞こえ、硝煙のにおいがどこからともなく匂ってきそうになり、それを見るに
つけ、いつかは現地で実際にこの目で見てみたい・と常々思うようになっていた。



 それが、たまたま各地の花火大会の話をしていた時、ひょんなことから旅仲間
の間で、「一度行ってみないか・・」と言う事になり、俄かに計画が持ち上がった
のが昨年の春ごろのことで有る。(続)




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パティシエ エス コヤマ

2012-08-06 | Weblog


 先ほどバスで乗り付けた中国系外国人らしき一団も店内に入り品選びをし、
しきりにカメラを向け写真に収めている。
 シェフのレシピや物語本などは台湾でも出版されているらしいから、その
評判で訪れているのであろうか。



 余り広くはない店内はごった返し、人が溢れているが、その割にはレジで
の流れが意外と速いのは、店員の数が多いこともあるようだが、多くの人は、
既に何を買うのか決めているような節があるからか。





 ようやく番が廻り、店内が見渡せる位置まで辿り着いたところで、我が
家も「ロールケーキは外せない、シフォンに小山チーズ・・それからショート
ケーキも・・」などと予め購入算段の打ち合わせ。
 まだまだ後ろに続く行列を思うと、とてもまず店内をじっくり見て品定め・・・
と言う雰囲気ではないから、結局手早くあれもこれもと手が伸びて・・・。





 道路を隔てた反対側には、カフェやショコラ専門店、その前には、パン工房、
マカロン専門店、アイスクリーム工房、バウムクーヘン工房などもあり一帯は
さながらお菓子のテーマパークのようだ。

 度々来ることもないからと言い訳しつつ、ついつい気が大きくなってしまう。
ここでも気前よく気になる商品を少し買い求めるものだから、終わってみれば
結構な買い物をしてしまった。



 買ったものを予め持参した発泡スチロールの大きな箱に移し、その後
近くのコンビニで買い求めた氷を入れて急いでお持ち帰りだ。







 さて、肝心のお味の方は・・となるが、先入観は禁物、先ずはご自身で
ご賞味あれ。「並んででも手に入れたい・・そんな気持ちを得心した」、と
だけ記しておこう。(完)



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パティシエ エス コヤマ

2012-08-03 | Weblog
 「アッ!ここだッ」と目指した先は、すごいことに成っていた。
駐車場もすでに満車、住宅地を突き抜ける幹線道路の端には、10台ほどの
車が行列を成して空くのを待っている。
そのわきを路線バスが、何時もの光景なのか、何事もなかったかのように、
白い中央線を跨ぎながら駆け抜けていく。



 高速を下り「ゆりのき台」と言う住宅団地に入り込んだは良いが、緩やか
な丘陵地帯の周囲は夥しい数の巨大な高層団地、学校や会社、お洒落な
一戸建ての住宅ばかり。「こんなところに・・・」と言った雰囲気で、とても
お店があるような所には思えない。



 それでも訝りながら走っていると、住宅地の一角に、白い四角い建物と
その前に停められた夥しい乗用車が目に入ってきた。
そして見つけたその先の角地に建つ小さなお店の前は、すでに黒山の人
だかりが出来、そこから続く行列が隣接した庭園を突き抜け、前の駐車場
まで伸びていた。



 「1時間ほどお待ち頂くことに成ります」「コヤマロールはお一人様10本
までとさせて頂きます」「予約のお客様は、その横の扉からお入り下さい」
などと、スタッフが行列に声をかけている。



 右手の出口からは、大きな紙袋を幾つも下げた人が、嬉しそうに笑みを
浮かべて次々と出てくる。中には帰るまで待ちきれないのか、包みを開け、
木陰の椅子に腰を下ろし食べ始める人もいる。









 オーナーシェフが「子供が遊べるように・・」と作った庭には、何体もの
銅でできた人形が、緑豊かな木々の中で遊んでいる。
そんな木陰に並ぶこと1時間、やっと店入口にたどり着いた。(続)



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パティシエ エス コヤマ

2012-08-01 | Weblog
 「兵庫のどこかに評判のケーキ屋さんが有るらしい。一度連れてって」
何か月か前からしきりに家内が言い出した。



 シェフが、「テレビチャンピオン・ケーキ職人選手権」で4連覇を果たし、
そのチャンピオン大会でも優秀な成績で高い評価を受け、その後自身の
店をオープンした。
 レシピ本や物語本なども手掛け、そんな活躍がマスコミで取り上げられ、
家内はいつの日か何かで目にして知ったと言う事らしい。



しかし県内なら兎も角、「場所も良く解らん兵庫くんだりまで、わざわざ
ケーキを買いに・・・」といつも聞き流してきた。



 それに、日ごろから口コミの評判なぞ余り信じもしないし、釣られてのこ
のこ出かけるなんて馬鹿らしい・・などと何時も冷めて見ている人種と自負
していることもあって、素直に直ぐ行こうとは言い難い。
 あきらめない家内は、「名前は分かっている・・・ネットで調べればすぐに
わかるから」と押してくる。





 そんな過日の事なぞすっかり忘れていたある朝、たまたま家族全員の
休日が重なった。
それに面白いことに誰も何の予定もなく一日暇だと言う。
「暇だし・・どこか行こうか?」「なら、兵庫のケーキ屋さんが良い」



 ネットで検索してみると、確かに家内の言うケーキ屋さんがあった。
住所は「兵庫県三田市ゆりのき台」とあり、中国自動車道の神戸三田IC
を出れば、10分ほどの距離らしい。
 幸か不幸かこの日は営業日、今から出ても高速で行けばお昼前には優に
着ける。行ってみるか・と言う事になり、家族揃って車に乗り込んだ。(続)





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