簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

遍路道とトンネル(四国遍路)

2013-05-27 | Weblog
 一日中歩いて来て、目の前にトンネルが現れたとする。
脇を見れば、このトンネル山を越える峠への地道が、木立の中に細く、かなりの勾配
で上っている。こんな時、どちらを選ぶのか・・・。



 人によっては、「遍路は遍路道を歩くべき、それにトンネルは危険」と何の躊躇もなく、
脇道に入り山道を登り始める人もいるだろう。
しかし一方で「この上峠を越える体力は残っていないし、先を急ぎたい・・」と峠道を避け
トンネルを足早に抜ける人もいる。



 多くのトンネルは、当然のことながら車の通行のためで、人が歩いて通り抜けること
を想定して作られているところは少ない。



 したがって、トンネルの中は、一段高くした幅1メートルほどの、申し訳程度の歩道が
作られていて、これが有ればまだいい方だ。ガードレールの有るところは極めて少ない。
中にはこんな歩道さえなく、僅かに白線で区切られただけのところもある。





 すぐ脇を大型の自動車が駆け抜けると、風圧に煽られ絶えず危険にさらされる。
雨降りの日ときたら、まき散らす水しぶきで悲惨である。何よりも排ガスには悩まされる。
ドライバーから我々の姿が見えているだろうか・・と、何時も気が気ではない。



 こんな思いをするならば、苦しくても峠道の方がましだ。
もしかしたら、この上に素晴らしい眺望が待ち構えているかも知れない。ここを歩けば
先人たちの姿も偲ばれる。登り終えたときの爽快感、達成感は代えがたい・・・。



 しかし一方で遍路シールに従い入り込んだ厳しい峠道で、「あのまま国道のトンネル
を抜ければよかった」「なんでこんな苦しい思いを・・」



 悟りもできない俗人は、煩悩を抱えながら歩き、分かれ道ではいつもこんな葛藤と
戦っているのである。(写真は本文とは無関係)(続)



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