簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

切符ブームとキリンのビール工場 (JR乗り潰し・山陽本線)

2016-03-23 | Weblog
 北海道広尾線(1987年2月廃線)の「愛国」から「幸福」行き切符、「愛の国から幸
福へ」のフレーズに端を発した旧国鉄の切符ブームは、瞬く間に全国を席巻し、つ
いに岡山県内にも飛び火した。
縁起の良いとされる「福」「金」「富」などの付く県内の「福渡」「金川」「亀甲」駅など
の切符がもてはやされ、飛ぶように売れたと言う。



 「万富」も例外ではなく「万に富む駅」として評判を呼んだ。
ここは明治30年に地元が用地を寄付し、山陽本線の前身の山陽鉄道が開設した
旅客扱い専用駅であるが、周辺は桃やブドウの一大産地で、出荷シーズンともな
ると全国各地への発送で大いに賑わったと言う。



 駅では年間でも200枚程度しか売れなかった入場券が、一日平均で100枚
以上も売れ、最高は300枚も出た日が有り、駅では増刷に次ぐ増刷で対応に
追われたと当時の新聞は伝えている。
一日の利用者が数百人しかなかった駅の、1975年の出来事だ。



 駅の南にはその三年前の1972年、キリンビールの岡山工場が創業している。
工場は平成に入りリニューアルされ最新鋭工場に生まれ変わった。
場内にはビオトープが併設され、公園のような工場を見学すれば、出来立ての美
味しいビールなどの試飲も楽しめる。





 当時万富駅にはビール輸送のための専用側線が引かれ、工場専用に貨物も扱
う繁盛駅となった。
しかしその後は貨物がトラック陸送に取って代わられ、貨物扱いは廃止された。
切符ブームもあっけなく去り、貨物扱いの無くなった駅は側線も取り払われ、利用
者数も今と昔でほとんど変わることもなく、二面三線の広い構内を持てあましてい
るようだ。(続)



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