簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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名松線 (JR乗り潰しの旅・紀勢本線)

2017-03-10 | Weblog
 この松坂からは名松線が出ている。
伊勢奥津までの43.5Kmを、全て三重県内にある15の駅で結んでいる非電化の路
線で、運行は凡そ2時間に1本程度だ。





 路線名の「松」は起点の松坂の頭文字であるが、不思議なことに路線内の各駅
に「名」の字の付く駅は無い。
それもその筈、もともとは奈良県の桜井と結ぶ計画が途中で名張に変更されたも
ののそれもとん挫、伊勢奥津止りとなったため盲腸線で終わってしまったのだ。
終着駅からは名張方面へのバス接続もあったようだが、今はそれすら廃止されて
いる。



 嘗て赤字による廃線の勧告対象となった典型的なローカル線であるが、当時は
沿線の道路事情も悪く代替輸送手段の確保が難しいと言う事でどうにか生き長ら
えてきた。しかも、2009年10月の台風18号では、急峻な山間部の家城―伊勢奥
津間の路線で38か所も土砂崩れなどの甚大な被害を受け運行が出来なくなった。



 元々一日の利用者も700人と少なく、年間収益4000万円に対し維持費が約8億円
もかかっていることも有った。
特に被災を受けた区間は一日利用客が90人程度まで落ち込んでいたこともあり、
JRは復旧を断念沿線の道路事情も好転していることからバス輸送に切替えてきた。





 ところがJR東海は地域住民の根強い再開要望や後押しもあることから、三重県
や津市が行う治山事業や水路整備事業の進捗に合わせ名松線の復旧工事に着
手し、被災から6年5か月を経てようやく運行にこぎ着けたのである。
災害で被害を受けたローカル線がそのまま廃線になる例は少なくはなく、こんなに
長い期間をかけて復旧する路線は国内では珍しいことだそうだ。(続)

               
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