簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 いよいよ伊予路

2011-10-26 | Weblog
 前半の山場と言って良いだろう。
長い、長い道中の土佐路、取分け室戸岬と足摺岬を巡る道行きは、唯ひたすら歩き
続けるだけの旅だったが、どうにか乗り越える事が出来た。



 思い返してみると、“へんろころがし”と言われる、あの焼山寺道も厳しかったが、
山中を行く道にはそれなりの変化があり、これらのものが苦しさ辛さを、そして疲れ
を、時には紛らわせてくれた。



 山道のそのアップダウン、道端に咲く草花、むせ返るような緑の匂い、優しく日影
をくれる木立の群れ、それに小鳥たちの囀り、路傍に佇む石仏、そして時折目の前に
開ける眺望、火照った体を冷ましてくれた谷を渡る涼風、などなど・・・苦しさや疲れ
が解消される訳ではないが、これらがひと時の安息をくれた事には違いない。



 それに比べると土佐路は・・・、歩いても、歩いても、遠くに望む海に突き出た岬の
風景は、少しも変わる事が無い。
 行けども、行けども、目にする光景は一向に変わらない。
容赦なく照りつける太陽、海から吹きつける強風、巻きあがる砂埃、強烈なアスファルト
の照り返し、などには本当に苦しめられた。
そんな海辺の道を歩み続ける直ぐ脇を、車が猛スピードで駆け抜けて行く。



 「ドライバーは、我々をどんなふうに見ているのだろうか・・・?」
ただ我が道を行けば良いのに、つい他人の目が気に成ってしまう。
「車なら、アッと言う間なのに・・・」まさに煩悩との戦いでもある。
 しかし、そんな土佐路もどうにか終わりが見えて来た。(続)


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