簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

武蔵の国境(東海道歩き旅・武蔵の国)

2017-07-14 | Weblog
 地蔵尊が鎮座しているこのあたりが、武蔵と相模の国境付近に当たっていた。
かつてはここにはそれを示す木製の傍示杭(ぼうじぐい)立てられていた。
国の境に木杭が建てられていたことがこの地の地名の謂れとなっている。
今日では「武蔵国境の木」と書かれた角柱のモニュメントがその代役を務めている。



 またこの地は、境木立場の跡である。
立場と言うのは宿場と宿場の間に、馬子や人足などの休息のために設けられた場
所で、ここにはたくさんの茶屋などが置かれていた。



 当時からこの地は見晴らしの良い高台で、西を見れば富士山が、東を望めば東
京湾の青い海が望め、その素晴らしい景観から旅人が必ず足を止める名所で有っ
たらしい。
今では周りにマンションらしい鉄筋の建物が幾つも建てられていて、そんな視界を
妨げていて、昔を偲ぶことは出来ない。



ここに立ち並ぶ茶店では、名物の「牡丹餅」や「焼餅」が供せられている。
昔から描かれてきた浮世絵にも、富士山を望む急坂に構える茶店で、しばし体を
休める旅人の姿が幾つも描かれている。



 東海道最初の難所に向かう保土ヶ谷宿から、ここ境木まではおよそ一里といい、
その半分ほどが権太坂の厳しい上り道であった。
更にここから下って戸塚宿までは、凡そ一里九町と言われている。



 権太坂に次ぐ相模に下るこの坂道は、峠の茶店で名物の「牡丹餅」や「焼餅」が
売られていたことから、何時しか「焼餅坂」(別名 牡丹餅坂)と呼ぶようになった。
その坂はおよそ1町半(約160m)の道のりである。(東海道歩き旅・武蔵編・完)





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