簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

左富士(東海道歩き旅・駿河の国)

2020-02-14 | Weblog


 駿河湾から離れ街道は北西方向に進路を変えると、その先で東海道本
線を越える。左がJRの吉原駅である。
正面には、かなり前から見えていた赤と白に塗り分けられた、モクモク
と白い煙を吐き続ける煙突が目の前に迫る。吉原は製紙の町でもある。
心なし町の匂いが変わったと思うのは、気のせいで有ろうか。



 河合橋を渡り、製紙工場の前から国道1号線を越え旧道に入る。
この辺り工場地帯のせいか、大型のトラックの行き来が多く、歩道のない
道もあり富士山にばかりに気を取られてもいられない。
しかし、どこから見ても美しい富士の姿を無視はできず、カメラにおさめ
ようとするが、町中では家屋や大きな工場の建物などが裾野を遮っている。



 ここまでの街道歩きではずっと右手に見えていた富士山が、東海道本線
を越えるあたりから前方やや右手に見えてくる。
更に街道を進むとその姿は、少しずつ左に動き、位置を変えている。



 やがて街道左手に左富士神社があり、そこを過ぎたその先の交差点まで
出ると、ここには「左富士」の立て札が有り、ここから見る富士の姿は完全
に左手まで動いている。広重もここでは「左富士の吉原宿」を描いていて、
街道中でも珍しい景観が望める場所となっている。



 「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」と言われ
る通り街道から見る富士の雄姿はどこから眺めても本当に素晴らしい。
民家が途切れ、周囲に山も何も遮るものもない所では、左右に延びる長い
稜線までもがはっきりと見え、その優美な姿に感動する。(続)





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