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二兎を追う危険

2010-02-10 | 育児
 子どもたちを育てる上で正しいことだと思うとすぐに取り入れたいと思うことは、よくあります。しかし、それをすることの弊害を考えないで取り入れてしまうことはないでしょうか。
 ことわざでは、「二兎を追うもの一兎を得ず」とよく言われますが、一兎を得られないだけにならないのです。
 よく「子どもは一度に2つのことはできないので、1つに絞りなさい。」と言います。これは、焦点を2つに当てられないために1つずつ焦点を当てて指導するということです。これは一見相手の立場に立っているように思われますが、指導のしやすさという点から、指導する側として考えられることです。
 相手の立場に立つということは、できない子どもの気持ちになって考えてみるとよくわかります。
 つまり、二兎を追った時の子どもがどのような状態になっているか想像しながら、できない子どもの立場で考えてみるのです。
 子どもは経験豊かな大人とは違います。どの子も二兎を追うことはできないから、まず一兎を追うと考える子ばかりではありません。ただ、言えることは、「言われたことはしなければならない。」と考え、一生懸命に二兎を追おうとするのが子どもです。
 すると、次のような様々な問題が生まれてきます。
・解決の方法が複雑になる。
・2つを達成するまでにかかる時間がかかる。
・1つを達成する以上に手助けが必要となる。
・2つを追うため、1つを達成した仲間の支援が得られなくなる。
・できる子との差が広がる。
 この結果、様々な子どもの姿が1つを追う時以上に現れてきます。
・一度に2つができないと悩む子
・2つともできないと悩む子
・1つでなく2つを追う追い方を考えてつまずく子
・どちらも追えず、立ちすくんで動けないでいる子
・1つでは感じない複雑さから、言われたことができないと苦しむ子
・自分の能力の限界を1つ以上に感じる子
・助けを求められないで苦しむ子
・1つを追うこと以上についた差に苦しむ子
・できないことを要求することへの不信感を募らせる子 
・2つともできる子への嫉妬をもつ子
・1つを追う時以上に仲間が冷たくなったと感じる子
 できる子とできない子の差を広げることは、教師の手が届きにくくなることを意味します。私たち教師は集団を扱うことが多いはずです。一人ひとりに丁寧な指導をしようとすれば、指導を単純にし、ゆっくりと集団を動かすことに力を注ぐ必要があります。
 1つずつの指導ならば、一人で対応できたことも、複雑になれば指導できなくなることもあります。結果として、欲張ることで、自分で自分の首を絞めてしまうことになります。
 ですから、常にできない子の立場を考えながら指導することが、指導のコツになります。


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