ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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子どもがほしがる言葉 5

2012-02-27 | 育児
 私たちがよく使う言葉に「ありがとう。」があります。相手との関わりを築く上でとても大事な言葉です。でも、子どもはなかなかうまく使えないことが多いようです。こどもたちは、どんな時にこの「ありがとう」が使えるのでしょう。


 A先生は、時々職員室に忘れ物をして、子どもに
「Fさん、お願いがあるんだけど。いいかな。職員室に先生のかばんを取ってきてくれない。」
お手伝いの大好きなFくんは、
「うん。わかった。」
と職員室にかばんを取りに行ってくれます。
帰ってくるとA先生は、
「Fさん、ありがとう。いつもよく働いてくれるので、先生、助かるわ。」
と言いました。


 子どもとの関わりの中で、よく見かける光景です。そして、きっとあなたも日々この言葉を子どもたちに投げかけていることと思います。

「ありがとう。」という言葉は、自分の取り組みを認められ、相手から尊重される素敵な言葉です。これを大いに活用したいと思います。
 どのような時にありがとうと言葉をかけているかがとても重要になります。

 こどもたちの考える「ありがとう」は次のようです。
・物をもらった時
・助けてもらった時
・相談に乗ってもらった時

 子どもの中には、直接「得をした」と感じる時に「ありがとう。」という言葉を多く使います。

その他にも
・困っている時にそばにいてくれた時
・考えるヒントをもらったと思った時
・当たり前のことを当たり前にした時
・私の事を真剣に考えて叱ってくれた時
・失敗をした時に、慰めてくれた時
・気づかないことに注意をして気づかせてくれた時
・見守ってくれていると感じた時

まだまだたくさんあります。
「なぜ、これがありがとうなの?」と子どもが疑問に思うこともあります。これは、子どもにとって、「ありがとう。」の新たな気付きになります。ここに学びがあります。このありがとうの言葉を使う範疇を広げるのが教師の役目だと思います。

 誰もが人の役に立っています。誰もがこの言葉を浴びせられるはずです。

「あなたがいてくれてありがとう。」

という気持ちを一人一人の子どもに持ち続けていることがこの「ありがとう。」の言葉の範囲を深く理解する上でとても大きな役割を果たします。

 ひょっとすると教師にとって都合のよい子に対してばかり、「ありがとう。」という言葉を使っていることはないでしょうか。

 学級の中には、教師の思い通りに動いてくれない子どもも現れます。そんな子どもに対して、「ありがとう。」などとはとても言いづらいものです。

 しかし、見方を変えれば、その子から指導力を伸ばす知恵をもらったり、子どもの見方を広げる機会をもらったりしているはずです。子ども同士でも、関わり合ってその子から人との関わり方を学ぶことも多いはずです。やはり、その子も学級の大事な一人です。

 教師として私たちが価値判断をしているから、その子に対して「ありがとう。」と言えない自分に気づいていないと考えた方がよいでしょう。