ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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考える機会

2009-01-17 | 育児
 新しいものを発見したり、新しいこと考えを生み出したりすることはとても楽しいことだ。簡単に発見したり、生み出したりしたことよりもじっくりと時間をかけて発見したり、生み出したりしたことの方が心に強く残る。それは、発見や生み出すために思いを巡らしたり、動きを工夫したり、悩んだりすることが多いからだ。努力をしている過程が複雑であればあるほど達成したときの喜びも強くなる。
 今の子どもたちは、恵まれ過ぎていて、欲しいと思ったときにものがすぐに手に入る。すぐに手に入らないと身動きができず立ち止まったり、諦めてしまうことが多いように思う。だから、苦しんで、もがいて手に入れる喜びを味わうことが少ないのではないだろうか。
 考える力が弱いと言われることが多い。このことも同様だ。考える力が弱くなるのは、できるだけ早く結論がほしいと思い、十分考えを巡らすことなく、諦めてしまったり、人に頼ったりしてしまうことが多いからだろう。
 そこで、自分で考えを十分巡らし、生み出すことの苦しさを乗り越えたときの喜びを感じるような取り組みを日常的に行うことがとても重要になる。「日常的に」である。
 考えさせるためには、次のような言葉かけが役に立つ。
<環境への働きかけ>
「何を整えればいいの?」「どこで?」「いつまでにすればいいの?」
<行動への働きかけ>
「どうするの?」「どうなるの?」
<能力への働きかけ>
「どんな力がいるの?」「どのようにすればできるの?」
<考え方や価値観への働きかけ>
「どんな気持ち?」「何を考えているの?」「何のために?」
<人そのものへの働きかけ>
「誰がすればいいの?」
 このように考えさせる視点を子どもに投げかけることにより、考える時間を作り出す。
 人によって癖がある。すぐに答えられることとすぐに答えられないことがある。いつも気にしていることは、すぐに答えられる。しかし、そうでないことは、なかなか答えられず、乗り越えるまでに時間がかかる。
 これを待つことができるか、それともこちらから答えを出すかによって充実度が違ってくる。(こちらの都合でこちらが答えを出したときには、自分で考えを作り出せなかったと解釈したい。)
 逆に投げかける方にも投げかける言葉に片寄りが出る。得意な投げかけと不得意な投げかけがある。自分の得意と不得意を発見することも子どもへの投げかけの幅を広げる上で重要となる。
 さて、これを生かす場面はどこにあるだろう。
・めあてを決めたとき
・悩みをもったとき
・問題を解決したいと思ったとき 等
 壁を乗り越えようとする時がチャンスだ。このチャンスを作るのも教師の仕事である。
 一時間の授業は問題解決の過程であり、十分これを使うチャンスがある。また、めあて決めをする機会も多い。(決めたらよしとするのではなく、問い返しをしてみることが刺激となる。)トラブルは日常的に起こる。ここまで、考えてみると学校生活のどこにでも自分で考える機会がある。子どもの力で乗り越えさせようとする教師の構えさえあれば、考えるチャンスはどこにでもあるということだ。