(前回からの続き)
これまで綴ったように、そしてこちらの記事を含めて繰り返し指摘のとおり、米ドルは通貨・金融的な面では金(ゴールド)に駆逐される局面にある―――どれほど米FRBが利上げをしようにも、その利回りが金の値上がり率に追いつけない≒実質金利が金をけっして上回ることができない―――うえ、実体経済の面でドルの価値を裏付けるべきメイド・イン・USAの魅力がアメ車並み・・・というよりむしろ、そもそもメイド・イン・USAが多くの分野で存在しない、となれば、まあドナルド・トランプ次期米大統領ならずとも「終わった(OVER)」と嘆きたくなるのも当然でしょう。
その点、BRICS諸国が脱ドルを狙った通貨を創設しようというのは、「だから」(ドルを受け取るとソンをする・ドルで「Buy American」となりたくなるモノがないため)であって、BRICSなかでも中ロ両国が地政学的・戦略的に反米・反ドルをリードして、といったわけではないはずですよ・・・
足元では、いわゆる「トランプ・ラリー」が続いていて、とくに、かの国では株高金安となっていますが、どのみちアメリカ&ドルはトランプ氏の言葉のとおり「OVER」となっていくしかないでしょう。具体的には、FRBの利下げそして(とくに不動産的な)実質金利のマイナス圏への再誘導を進める以外にない、ということ。であれば、金のドル価格は近々再上昇に向かうのは必然といえそうです。それは同時にドルのさらなる価値低下、すなわちインフレの再加速につながって・・・