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【インフレ注意報発令】日銀金融緩和の副作用②

2012-03-17 06:22:47 | 日本

(前回からの続き)

 今回の日銀の金融緩和が日本経済に与える影響については、あらゆる観点から総合的に見極める必要がありますが、ひとつ指摘できることは、わが国もインフレに注意が必要になってきた、ということです。

 以前にも書いたように、欧米諸国は国債金利がインフレ率を下回り、実質的な金利がマイナスに落ち込んでいます。他方でわが国は長期金利1%、インフレ率0%で、実質金利が1%あまりのプラス。この実質金利差が円高・外貨安の原因のひとつとなってきました。今回、これを是正するべく?日銀は、さらなる長期国債の購入により長期金利を下げつつ、市場への通貨供給量を増やして上限1%程度のインフレ誘導を行い、実質金利をゼロ%に持っていく算段のようです。

 そうすると、円のベースマネーが拡大するとともに、実質的な円と外貨の金利差が縮小するから、円が売られ外貨が買われて円安になるでしょう。つまり円高のメリットが減って、石油などの原材料価格が上昇する輸入インフレが引き起こされる可能性が高まります。それでも、長い間インフレに悩まされている欧米諸国や新興国に比べれば穏やかなほうですが(気の毒なことに、現在、これら諸国の大半の市民の生活レベルはインフレのため悪化の一途を辿っていると思われます)。

 たしかに、通貨安で輸出企業を再興させ、経済の活性化を図るという手もわからなくはありません。ちなみに、わが国のGDPに占める輸出依存度は15~17%くらいです(ドイツ・韓国50%弱、中国40%強、などと比べると、日本経済は必ずしも輸出にとくに依存した経済とはいえない)。

 しかし、これだけ世界規模でインフレが激しくなっているなかで通貨を安くすると、その副作用としての輸入インフレのインパクトは大きくなります。さらに市民にとっては実質的なゼロ金利の悪影響も見逃せないでしょう。これまで金利1%だったのに今後はゼロ、つまり、理論上は(ただでさえ少ない)利子収入を物価上昇分が食いつぶすことになってしまうからです。

(続く)


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