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【米モノ貿易の黒字、航空機だけの「ボーイングノミクス」…】アメリカ、巨額貿易赤字は大混沌への前兆か⑤

2019-03-19 00:02:21 | アメリカ

前回からの続き)

 前回書いた、アメリカの主要なモノ(財)ごとの貿易収支をみたものが以下のグラフになります(2017年、出典:JETRO)。

 あらためて、アメリカはスゴイ・・・(汗)、と感じてしまうわけです。上で黒字なのは「民間航空機」つまり米航空大手「ボーイング」たった一社の製品である飛行機だけ。そしてあとの財はオール赤字!で、とりわけ「消費財」が4000億ドル超もの突出した赤字・・・ってことは、要するに米国民が中国製の日用雑貨品等に頼りっきりになっている様子がはっきりと窺えます。次に目立つ赤字が「自動車・同部品等」で2000億ドル余りの赤字・・・って、以前も書きましたが、米国民自身が自分たちが作った車をこのように評価しているから無理もないか、って納得せざるを得ません。ちなみにアメリカの同年の対日貿易赤字額は689億ドル(中国、メキシコに続いて第3位)で、そのうちの7割(493億ドル)が「自動車・同部品」となっています・・・

 まあこんな感じで、メイド・イン・USAの「強み」はボーイング社の航空機のみ、って、とても分かりやすい結果が出ている(?)わけです。これを、「アベノミクス」を「カブノミクス」(取り柄は「株のみ」)と呼ぶ本ブログ風に表現すると、米経済は「ボーイングノミクス」(モノ貿易でアメリカが黒字を得られるのは「ボーイングのみ」)って感じです・・・(が、前述のように、そのたった一本の柱も現在、激しく動揺しているわけで・・・)。アメリカがこんな脆弱な?経済・産業の構造のままで第二次大戦終結からこれまでの長い年月にわたって保っていられるのは、前述のとおり「ドル」のおかげ。逆にいえば、やはりそのドル・・・の呪いのせいでアメリカはこんな国(ボーイング以外はモノの各セクターのリーディング企業等が衰退・消滅?)になっちゃったといえそうです(?)。

 で、そのドルですが、本ブログにおける通貨の定義「その通貨発行国の財やサービスとの交換券」に照らせば、本来はメイド・イン・USA交換券になりますが、当の米国民自身が上記グラフで明らかにしてくれているように、自動車、雑貨品、各種資本財、その他多くのモノについては、米製よりも日・独・中国製などのほうが品質や価格などの面で優れているため(あるいは、鉄道旅客車両のように、そもそもアメリカ製が無いため)、モノの交換券としてのドルの価値は日独中の通貨であるユーロ人民元などに劣りそうです。このあたりを以前の記事で、ドルは「アメ車交換券と表現しました。日本車、ドイツ車、アメ車を買いたい人は、それぞれの交換券である円、ユーロ、ドルを集める必要があるとしたときに、アメ車交換券を集めようとする人が世界に、そしてアメリカにどれだけいるのでしょうか?ということです。その結果は当該記事そして上記データがはっきりと示しているわけです・・・

(続く)

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