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【イギリスも衰退へ】「モノ作り」を忘れたヨーロッパのたそがれ④

2013-05-13 00:02:48 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 ところで、「製造業」の衰退とともに地盤沈下しつつあるのは、ヨーロッパではユーロ圏17カ国(ドイツを含む;このなかで実質的に唯一の製造業立国だが、他の16カ国に足を引っ張られ、結局、17カ国一緒に没落していくと予想)だけではありません。代表的なのはイギリスです。

 イギリスについては、先日「北海油田の恩恵を生かせなかったイギリスの教訓」で書いたとおりです。ずいぶん前に「製造業」が国際競争力を失ったものの、北海油田のおかげでしばらくは「鉱業国」(石油輸出国)としての恩恵を享受しました。しかしその間、チャンスを生かせず(製造業再生を怠って)、安易な石油・ガス関連の輸出に依存し過ぎたため、いまや北海油田の斜陽化とともに経常赤字が拡大し、それとともに国力も低下の一途をたどりつつあるように見受けられます。

 もっともイギリスにはある意味でいまでも「鉱業国」としての顔があると思っています。それを感じさせられるのが、世界中の油田や鉱山の権益を持つ「資源メジャー」の存在です。たとえばBP(石油)、リオ・ティントやBHPビリトン(鉄鉱石、銅鉱石、石炭等)、アングロ・アメリカン(金、プラチナ、その他レアメタル等)などが代表例。これらを含む世界的な資源会社の多くはイギリスに本部、あるいは主要事務所を構えるほか、ロンドン証券取引所に上場しています(上記4社はFTSE100種総合株価指数を構成する資源株14社に含まれる)。こんなところをみると、イギリス経済はかつての植民地遺産(オーストラリアなど、以前の植民地で開発した鉱山の権益等)がもたらす富に現在も支えられているといえるかもしれません。

 ここで話は飛びますが、こうしたイギリスのスタイルは、今後のわが国の国家戦略を描くうえで大いに参考になりそう。海外資産(鉱山権益や企業など)からの利子・配当金収入を増やすという戦略です。すでに商社をはじめ、わが国の大手企業の多くは、これまでの円高のアドバンテージを活かし、外国鉱山の権益や企業の買収に積極的に取り組んでいます。実際、2012年上期の日本企業による外国企業のM&A件数は前年同時期で15%増の262件に上ったそうです(バブル期1990年上期[247件]を上回って過去最高!)。

 すでにこうした投資の効果ははっきり現れています。最近は円安にともなう石油・LNGの輸入価格の高騰により、単月で貿易赤字を記録することが多くなっていますが、トータルの経常収支はおおむね黒字を維持できています。それは所得収支(海外からの利子・配当収入から海外への利子・配当支払いを差し引いた収支)の黒字のおかげ。財務省によれば、直近の今年3月、わが国の経常収支は1.2兆円の黒字となりましたが、そのうち所得収支は1.7兆円の黒字と、2010年同月以来の3年ぶりの黒字幅を記録したそうです。

 所得収支は円安局面では円換算で増えることになります。したがって所得収支は、円安傾向にある現在、高止まりする貿易赤字のマイナスを打ち消して、経常収支を改善(黒字化)してくれる効果をもたらします。そういった意味で、外国の優良企業買収や鉱山権益の確保は、所得収支のさらなる改善向上につながることから、日本経済をさらに強化する手として有効と考えられます。

 わが国には高い競争力を維持する製造業の基盤と、バブル清算を終えた健全な金融システムがあります。それに加え、いまや海外に持つ資産がもたらす利益が増えつつある―――政策さえ間違えなければ、日本経済の今後は決して悪くはないと思います。

(続く)

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