(前回からの続き)
You cannot stop the problem you created with Inflation. ーーー「あなた方(アメリカ)は自らがインフレとともに生んだ問題(≒不動産インフレ)を抑止することができない」ーーー前回ご紹介の、ドナルド・トランプ大統領が先日、自身の SNSに記した表現を用いて本稿を結論づけると、こうなります。この点、同大統領は、「問題」(the problem)は米FRBが発生させ、そして終結させることに失敗した、とこれを批判しているようですが、それは的外れで、正しくは、その「問題」すなわちアメリカには不動産価格の永遠の上昇が生むマネーに依存するやり方(本ブログの造語である「不動産本位制」)しかない・・・のでこれをストップできない、と認識するべきですよね、トランプ氏をはじめとするすべてのアメリカの人々は・・・
本ブログで何度も指摘してきたように、アメリカの「アキレス腱」(「外国」に頼るほかない国家的な弱点)は「金利」です。それなのに、かの国は、「外国」ではなく、こうして「自国」・・・の不動産が生むマネーで債務を埋め合わせることで「金利」リスクの顕在化を防ごうとしてきたわけです。であれば、こうなってしまった、つまり「失敗してしまった」(failed to stop)のは当然ですよね、永遠の「双子の赤字」国としての「自国」が上記マネーで金利のコントロールなんぞできるわけがないーーーインフレ(実質マイナス金利状態の永続)を高進させる以外にないーーーといった有様です・・・
なお、トランプ大統領らにもインフレを問題視している様子は窺え、実際にこれを緩和する意図も込めて自国の原油や天然ガス等の増産に向けた方針等を打ち出してきています。が、本稿の文脈からすれば、これもまた以下のように、じつは逆にインフレ喚起的、と説明ができます。つまり・・・上記増産→原油等の需給緩和→原油価格低下→サウジ等産油国の原油輸出収益が減少→「外国」つまり産油国の対米ファイナンス力(≒米国債購買力)の低下→米金利上昇圧力増大→・・・で結局、不動産インフレへのいっそうの依存へ・・・という次第です。なのでトランプさん、原油増産はともかく?同価格は押し上げる(エネルギーインフレを促す)ほうが身のため(オイルダラーによるファイナンスを得られる)ですよ、と念のため補記しておきますね。もちろん、これで「持たざる者」は・・・ですが・・・
というわけで、また本ブログで繰り返してきたように、このたびのトランプ新政権の発足・・・とは無関係に、かの国はどのみちインフレで〇〇される運命です。唯一の実効性あるスキームすらも、もはやワークし得ないでしょう。それらの意味は通貨ドルの信認崩壊、およびドルに変わる通貨や金融システムの模索、そして・・・