(前回からの続き)
金準備量で世界1位とされるアメリカも、その同盟国で同2位のドイツも・・・そしてわが日本も、IMFに申告している量ほどは現物の金(ゴールド)を持っていない(?)―――このことを中国は知っているはずです(おそらく同国は、もっと緻密に各国の金準備量を推計し、自身が他国を圧倒していることを確認していることでしょう?)。そんななかでの中国による「金準備1万トン超」備蓄完了宣言は、世界の通貨・金融秩序を激変させるだけのインパクトを持つに違いありません。
反対にアメリカは苦しいところです。ウワサどおり、じつは金塊は8千トンもない・・・どころか「フォートノックス」(アメリカの金保管所があるところ)が(小国ベネズエラにたった160トンの金すら即時に返せないほどの?)スッカラカンに近い状態だったことが事実だったと判明すれば、中国が上記宣言をした時点でゲームオーバー、つまり戦後長らく続いてきたドル一極体制が崩壊しかねません。このときドルは基軸通貨すなわち「石油交換券」の座を人民元に奪われ、単なる「アメ車交換券」になり下がって(?)暴落へ。そしてこれに反比例して暴騰する金をアメリカは弱体化したドルで買い集めることが不可能になり、巨大な、空母「遼寧」・・・ではなく「金準備」で「武装」した「中国」に対抗できるはずもなく、結局は世界経済覇権も手放すことに・・・(?)
軍事力などよりもこのあたり、アメリカが中国をもっとも恐れるところでしょう。これを阻止するには、中国に金準備の増強を断念させる以外にありません(?)が・・・日本やドイツと違って中国はべつに自国の安全保障をアメリカに依存してはいない・・・どころかアメリカとは敵対している(ふりをしている?)くらいなので「オレ様が守ってやるから金を買わずにドルを買え」の殺し文句は通じない。もちろん虎の子の金を横流しされるリスクを避けるために中国は、日独両国やベネズエラなどのようにアメリカに金を預けたりは絶対にせず、華北平原の奥深~くに(?)厳重に秘匿していると想像されます。つまり、さすがのアメリカ様でも中国の金には手が出せない、ということ・・・
・・・であれば、アメリカとしては中国が上記宣言をしないよう、あれこれとご機嫌取りをするほかなさそうです(?)。中国が自身の金準備を1800トンあまりと言い続けてくれれば、たとえ同国が金を本当は1万トン以上持っていても、世界は公称8千トンの金で裏付けられたドルを引き続き使うからです(?)。まあ中国としても貿易黒字が稼げるのなら現ドル体制でもかまわないので、アメリカのこの内密の(?)要請を受け入れているのでしょう(?)・・・が、これ、あくまでも当面は、です。前述のようなリスク(ドル大増刷とか人民元暴落など)が高まっているからです。なので中国はいつまでもダマテンではいられず、真正・・・に近い金準備量の公表にまもなく、踏み切らざるを得ないでしょう(?)。