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【反市場性こそアベノミクスの左翼的本質?】民間銀の合理的判断が問うマイナス金利の不合理性⑤

2016-06-21 00:04:46 | 日本

前回からの続き)

 前回までに書いたとおり、このほど国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー:PD)の資格を返上する予定の三菱東京UFJ銀行(MUFG)の平野社長が黒田日銀の「マイナス金利政策」を「明らかにネガティブ」と否定的に評したのは両者―――つまりまずは自らを含む金融業界とそのステークホルダー、そして次に日銀ひいては国家国民―――にとってネガティブだ、という意味だと解釈されます。「・・・だから、これを止めよ」―――「お上」(安倍政権・黒田日銀)の政策に盾突くような言動は憚られる雰囲気がこの国に広がる中、憂国のお気持ち(?)から、あえて筋の通った発言と決断をされた同社長の勇気を称えたいと思います。

 MUFGのPD返上の市場に与えるインパクトは小さくないはずです。いうまでもなく同行は邦銀中、時価総額第1位のトップバンク。そんな大銀行の経営者が真っ当な論理に基づいてマイナス金利政策はネガティブ、つまり同政策は止めるべき、と黒田日銀に詰め寄っているわけですからね。上述の混迷きわまる状況は日の丸金融機関にとってはみな同じ。よってこの先、MUFGに続けとばかりに同政策に弓を引く(?)ような姿勢を見せるところが出てこないとも限らない。16日に開かれた金融政策決定会合で日銀は追加緩和の見送りを決めましたが、その背景には金融業界内で強まる一方の(?)反マイナス金利感情を日銀として意識しないわけにはいかなかったという面もあることでしょう・・・(?)

 で、繰り返しになりますが、マイナス金利政策とは国債の価格を満期まで保有した場合のリターン額以上につり上げること。これに本邦機関投資家が反対するということは、国債をマトモな価格で買わせてほしい、国債マーケットをかつてのような市場メカニズムが普通に働く環境に戻してほしい、という切なる訴えにほかなりません。こうした願いとは真逆な取り組みこそがマイナス金利政策・・・にまで至った黒田日銀の超緩和的な金融政策。ということは、わが国の金融界は「異次元緩和」つまり「アベノミクス」そのものにネガティブになりつつある・・・(というより、もとからネガティブだったと思うけれどね!?)

 ・・・これは政治的イデオロギーなどではけっしてなく、単純にこういうこと―――合理的に考えればアベノミクスって不合理だろ?―――です。健全に機能していたマーケットに「お上」(中銀)が無意味にも(?)超過剰に介入してこれを混乱させ、投資家に国債を購入できないようにしてしまう―――この「アンチ市場性」こそ異次元緩和すなわちアベノミクスの本質といえるでしょう(?)。

 このあたり、こちらの記事でアベノミクスを左翼的と表現した所以でもあります。こんなことばかりやっている中国共産党当局といい勝負だ、みたいな意味です。

続く

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