(前回からの続き)
「リーマン級」の金融危機迫る!という真っ当な見通しを示したというのに安倍政権(ついでに黒田日銀)周辺は、その予想に従ったアクションを取っていない感じです。つまり「アベノミクス」以降、政府傘下の(日銀を含む)金融機関や年金基金に派手にやらせたリスク資産投資の手仕舞いに向かう気配がない(?)ということ。であれば、今後の世界的な資産バブル崩壊局面でこれらは多額の評価損&為替差損を食らいそう・・・。
そしてそれらの大打撃はやがて、政府系銀行への公的資金注入とか年金支給額の大幅カットなどのかたちで国民の重い負担となっていく―――そんなイヤな予感がしてなりません。まあ前述のとおり、本邦民間金融機関の大半は「巣ごもり」(≒円のキャッシュか日本国債の保有)でこのリスキーな局面をやり過ごすことができそうなので、日本に限っては金融システミックリスクに陥ることはないでしょうが・・・
本ブログでは何度も指摘していることですが、いまの株価や為替レートを見れば推測がつくように、すでにわたしたちの年金原資(年金積立金管理運用独立行政法人[GPIF]が運用する金融資産)は相当程度、毀損していると思われます。過去の公開日程のとおりだとすれば、GPIFの平成27年度運用実績は来月の10日頃、ちょうど参院選前後という微妙なタイミングで発表されそうです(これに関し、こちらの記事に、同年度実績は今月初旬に発表と、誤った時期を記していました。お詫びして訂正します)。これ、おそらくは芳しくない結果(もしかしたら「元本割れ」?)となるでしょう、大きなリスクオフ・イベントなんてなかったにもかかわらず・・・。ということは、「リーマン級」が起こったりしたら・・・
・・・「時すでに遅し」で、いまから動いても損失発生は不可避、でも巨大危機が勃発してからようやく重い腰を上げるよりはダメージはずっと小さくて済むはず。なので政府・日銀には、その正しい危機認識に基づくアクションを早く!と願わずにはいられません・・・
(「『リーマン級』真っ当な危機認識を示した日本政府」おわり)
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