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【欧州を他山の石に】「モノ作り」を忘れたヨーロッパのたそがれ⑤

2013-05-15 00:04:29 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 すっかり脱線してしまいました。イギリスと欧州の話に戻ります。

 前回、イギリスには、世界各地の油田や鉱山の権益を有する資源メジャーがいくつも存在するという、「鉱業国」としての顔があるという点を指摘してみました。

 とはいうものの、実際にこれらの資源会社がもたらす利益の分け前を得られるのは、会社の役員や従業員、株主や債権者などのステークホルダーに限られます。大多数の国民は、そんな恩恵とは無関係。(ここがわが国と大きく違うところですが、)生産活動や雇用に関連する実体経済を支える製造業の基盤が脆弱なうえ、慢性的な経常赤字にともなう高いインフレ率(ポンド安・実質マイナス金利)や高い失業率(8%:2012年)などに苦しい生活を余儀なくされています。実質的な「財政ファイナンス」としての色彩が強いイングランド銀行(中央銀行)の金融緩和が継続すれば、前者の「持てる者」と「持たざる者」との資産格差は広がるばかりでしょう。階級社会」の歪みはますます大きくなっていきそうです。

 厳しいリセッションや深刻な失業問題などといった、まったく先の見通せない欧州重債務国の情勢から判断すると、ユーロ圏17カ国と同様、近いうちにイギリスにも何らかの金融危機が起こる可能性はけっして低くはないと思います。そうなればイギリス政府は大量の公的資金を金融システムに投入しなければならなくなります。製造業」が低迷し、北海油田の枯渇化にともなって「鉱業」も衰退するなか、唯一の頼みの綱である「金融業」までもバブル最終清算で危機に瀕することになるでしょう。身の丈以上の生活で借金を重ねてきたイギリス経済とイギリス国民は、そのときの巨大な負担にはたして耐えることができるのか?世界中が重大な関心を持って見守ることになりそうです・・・。

 ということで、ユーロ圏17カ国やイギリスなどのヨーロッパ諸国が「モノ作り」の衰退や資産バブルの後始末で世界経済における地位をますます低下させていくだろう、という個人的な見通しについて長々と綴ってみました。本稿前段で述べたとおり、国家・国民をより豊かにしていくためには、(一部の「鉱業国」を除けば)産業振興、とりわけ製造業を充実させることが第一に大切だと思っています。その意味で、製造業が国際競争力を失いつつあり、一方で製造業の再生や質的向上をおろそかにしたヨーロッパの多くの国々が没落していくのは、厳しいけれど仕方のないことかもしれないな、と感じています。

 そしてわが国としては、そんな「哀愁のヨーロッパ」を他山の石としたいところわが国は、金融政策が引き起こす資産バブルなどに過度に頼るのではなく、引き続き付加価値の高い「モノ作り」を基盤に据えた国家であり続けるべきだと考えています。

(「『モノ作り』を忘れたヨーロッパのたそがれ」おわり)

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