老年

満69歳になった。間違いなく老年であるが諦めがつかない。

ロシア民話 ”プーシキン: 漁師と魚の物語” 1

2006-05-22 23:35:34 | Weblog

じいさんとばあさんが住んでいた。
真っ青な海のほとりに
朽ちかけた穴倉の小屋に
ちょうど30年と3年の年月を
じいさんは投網で魚をつかまて
ばあさんは亜麻をつむいで。
じいさんは海に投網を打った
投網には泥がついていた
もう一度打つと海草がついていた
三度目にに投げると
一匹の魚がかかった
普通の魚でない、金の魚だった。
なんと金の魚は泣きついてくる
それも人の声で

<じいちゃん、わたしを海に放して
あんたに身代金を払うわ
あんたが欲しいものならなんでもあげる>
じいさんは驚いた。怖くなった。
30年と3年と漁をしているが
魚が話すのを聞いたことがない。
金の魚を放すと
優しい声で言うのだった。
<いいんだよ、金の魚!
身代金なんて要らないよ
青い海に帰って
広い海を泳ぎまわりなよ>

ばあさんのところに戻ったじいさんは
とんでもない不思議を話すのだ。
<今日、魚を捕まえようとしたが
普通の魚でなくて金の魚だった。
魚は人の声で話したのだ
青い海に帰らせてと
高い身代金を払うというのだ
わたしは身代金を取れなかった
青い海に放してやったよ>。
ばあさんはじいさんのことをののしりだした。
<おまえは馬鹿で、とんまだよ!
身代金が取れなかったと!
洗濯桶でもよかったよ
うちのは割れているのだよ>

それでじいさんは青い海に出かけた
見ると、海は軽く波立っている
じいさんは金の魚に呼びかけた
魚はじいさんのところに泳いできてたずねた。
<じいちゃん、どうしたいの?>
じいさんはお辞儀をして答えた。
<ごめんなさい、魚の女王様
うちのばあさんががみがみ言うんだよ
この年寄りをほっておいてくれないのだ
ばあさんは洗濯桶が欲しいそうだ
うちのはすっかり割れてしまったそうだ>
金の魚が答えるには、
<悲しがらないで、家に帰りなさいよ
新しい洗濯桶になっていますよ>
じいさんはばあさんのところへ戻った。
でも、ばあさんはもっとひどくののしるのだ。
<おまえは馬鹿で、とんまだよ!
洗濯桶をとろうなんて
洗濯桶にたくさんお金が入っているのかい?
ばかもの、魚のところへ行っておいで
お辞儀をしてから丸太小屋が欲しいって言うんだよ>。

それでじいさんは青い海に出かけた。
(青い海はにごっていた)
じいさんは金の魚に呼びかけた
魚は泳いでくるとたずねるのだった。
<じいちゃん、どうしたいの?>
じいさんはお辞儀をして答えた。
<ごめんなさい、魚の女王様
ばあさんは前よりひどくがみがみ言うんだよ
この年寄りをほっておいてくれないのだ
がみがみばばあは丸太小屋を欲しがっているのだ> <つづく>



今日の歩数: 8,374歩 消費カロリー: 310kcal


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