blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

モノとカネの話は

2023-09-26 20:47:28 | 日記
※写真は、9/24立山・室堂平にて。

おかげさまと言うべきか、業務多忙のため我が社では勤務がシフト制となっている。
シフトと言っても昼組と深夜組といった極端なものではなく、始まりと終わりを1時間ずつずらしているだけである。
全員が同じ時間にスタートするとどうしても間に合わない仕事もあるため、人員の半分ずつを週交代で早番と普通番に分けている。
早番の週は目覚めに合わせて起きるというよりは目覚ましに起こされる形になる。
備えて早めに寝たらいい話なのだが、テレビやゲームなどでムダな時間を食ってしまい後悔することも多い。

我が職場は全員がまじめで働き者であるとは前回書いたが、メンバーは必ずしもベテラン揃いというわけではない。
なり手不足が叫ばれ人の入れ替わりも激しい業界のこと、私あたりが若手になってしまう構成の中で社歴1年未満という人が3分の1くらいいる。
私の属する班は幸い私以外は少なくとも年単位で在籍しているベテランだが、片方の班は1年未満の人が複数いる。
その内の1人は入社が私よりほんの1か月早いくらいの高齢者だ。

その人は入社時期が近いこともあるのか、当初は気さくに話しかけてきた。
私がかつて経験した現場で働いたこともあったようで、その点でも話の共通点はある。
いたずらに拒否する理由もないので、今でも暑い寒いなどのたわいのない話はする。
ただ、話を重ねていくうちに、深入りは避けた方がいいかなと思い始めている。

他人がせっかく振った話を自分の話にすり替えてしまう人はどこにでもいるが、その人もそういうタイプである。
自分の話にするだけならいいが、必ず話題にモノやカネの話が付いてくる。
若い時分は某有名運送会社で懸命に働き相当によろしいお給金をいただいていたようだから無理もないと言えばそうなのだが、金銭感覚が2ケタほど違うような話が突然わいてくる。
ハワイの話をするならハワイの魅力を語ればいいのに、今まで何回行って今まででいくら使った(数千万円単位)とかそんな話しか出てこない。
他人が休日にどこそこに行ったなどという話には全く興味がなく、どこそこは嫌いだとか行ったことないなどと言ってアッサリ話を遮り無理やりにでも自分の話に持っていく。
飛騨高山には2か月に一度くらい行くというので「行きつけでもあるんですか」と振ったら「〇〇の食事は一回何千円」などの話で止まらなくなったので、今後は外出や旅行に絡む話はしないことに決めた。

まだ私同様に今の現場での経験が乏しいため、私もまだまだだが適切なところに適切なタイミングで顔を出すことができない。
ただ、顔を出してみてすでに人が足りていた場合はいてもしょうがないのだから任せてしまえばいいのに「オレ、間に合わんって言われたから戻ってきたわ」などと口にする。
いかにも「そんなことないですよ」と言ってほしそうなのだが、もちろんそんな誘いには乗らない。
そんな言葉を吐く人の心理はただ一点「自信がない」、これに尽きるから、そんなことないなどと言ってしまえばさらにいじけるのは目に見えている。

まだ新しい場所に来てふた月なら何もかもお見通しと言うわけにはスーパーマンでもない限りは無理である。
私よりも一回りを優に超えて年上だから新しいこととなると時間もそれなりにかかるだろうし、それでも周りについていこうという努力も見えないこともないので今のところは仕事に関しては入社時期が近いよしみで何も言っていない。
少なくとも仕事に関しては日々不安と恐怖が先に立っている感じは受けるが、では、仕事面は仕方ないとして、長年生きてきた経験から語られるものに自信がにじみ出ているのかと言えば実はそれも心もとない。
要は、モノとカネという極めて外面的、墓場に持っていけるわけでもないこれらの話でマウントを取らなくてはいけないような、私よりも20年近く長く生きてなお、その程度の内面しか持ち合わせていない、言わば俗物ということである。

男は黙って、などと言うとあらぬ界隈から総攻撃を受けることになるが、少なくとも現場仕事のようなオシャベリが必須ではない業種でオシャベリな人は大概は自信のなさを言葉で埋めようとしているに過ぎない。
自信がいつまでもなければ、私はもちろん、これから入ってくるかもしれない未知の新戦力にもいとも簡単に抜き去られてしまうだろうし、そこは仕事の場なので私は遠慮なくいく。
本人の、間に合っていない、という言葉が「事実」として固定化しないことを祈りたい。

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