blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

個人間の実効支配

2017-02-18 19:50:57 | 休日
前回はガラにもなくやや政治的な内容を記した。
法律や条約をどこからどう読んでも領有権があるとは思えないところに他国が割り込んでいるケースは我が国周辺だけのことではない。
こういう問題こそ国連の出番だと思っている人も多いかもしれないが、そもそも我が国で国際連合と訳されている「United Nations」は連合国と訳すのが本当で、第二次大戦の戦勝国(とされる)国々が主導権を握り、決して中立の組織ではないことには当初から変わりはない。
安全保障理事会の常任理事国(パーマネント5)の間で何か対立が起きれば、実質的には何も決めることができない。
我が国は拠出金ばかりを持って行かれて大した権限も与えられず、いまだに残る敵国条項の対象にまでなっている。
割りが合わないと言えばこれほどの話もないように思うが、こういったことは学校でキチンと教えなくてはいけないと思う。

さて、実効支配と言えば国と国のみならず、一般の個人レベルでも十分に起こりうる。
私が当地に来てから約一年半になろうとしているが、今年に入ってからは構内の機動力(フォークリフト)を使う機会が格段に増えた。
増えたと書くのは正確ではなく、自分で増やしていったと書くのが正しい。
限られた時間と仕事量の中で機動力に触れる機会を増やすには、他人の間隙をつき、時にはかすめ取ってでも機会を作るよりない。

もともと特に誰が機動力を使ってはダメとは決まっていないのだが、当地に来て数ヶ月は遠慮して他人に機動力を任せていた。
それが、どうも任せておくと体力を使う手作業には一切関与しないまま「運び屋」に終始してしまうことに気づいたため、それでは不公平だろうということで半分は私が奪うように機動力を使うようになった。
奪われた方はこれまでのリズムを崩されて当然不満はあるだろうが、直接の言葉で抗議されたこともなければ、上司を通じてどうこうという形もこれまではない。
すると、時間が経つうちに私が機動力を使う方に回っているのが当たり前のようになってきた。
今までの役割を奪われたと感じた方が直接不満をこちらに伝えないから物事が既成事実化して、今は私が機動力を実効支配することに成功してしまっているのである。
もちろんそれまでの過程で破損や落下などの大ポカをしていないからこそ今の状況があることも付言しておきたい。

プロの世界なのだから、役割がかぶれば奪い合いになるのは当たり前だ。
そうなった時、コミュニケーションを取って役割を分け合う形に落とし込むのが一般的なやり方ではあるが、私と対峙する当事者は他人に勝つことしか考えないプライドの高い人物である。
心の内に潜むイライラは時に「モノにあたる」という幼稚極まりない方法で発散されるだけで、自らの動きを改善して当方と対峙しようとはまったくしないのである。

職業人として、私自身もいつ同じような目に遭うか分からない。
周囲と仲良しさんになる必要は全く感じていないので、感性を研ぎ澄まして余計な口出しや嫌がらせを許さないような緻密な動きができるように日々の健康にも十分留意していきたいと思う。

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