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抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン

2014年10月08日 | 脳梗塞
高齢化に伴い脳梗塞の患者さんが増え、今や脳卒中の75%が脳梗塞という状況になっています。このため必然的に脳梗塞予防の薬を内服している人も増加しています。それでは薬を内服中の方が外科手術や内視鏡検査を受ける時にはどうしたら良いでしょうか?

2009年の脳卒中診療ガイドラインには、内視鏡で生検などを受ける場合には3-5日間は休薬することが推奨されていました。しかし2012年の「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」ではその内容が大きく変わっています。
このガイドラインには「休薬による血栓塞栓症の高発症群」として、
 脳血行再建術(頸動脈内膜剥離術,ステント留置)後2 カ月
 主幹動脈に50% 以上の狭窄を伴う脳梗塞または一過性脳虚血発作
 最近発症した虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作
などが挙げられています。
また、
「内視鏡的粘膜生検は,アスピリン,アスピリン以外の抗血小板薬,抗凝固薬のいずれか1 剤を服用している場合には休薬なく施行してもよい.ワルファリンの場合は,PT-INR が通常の治療域であることを確認して生検する. 2 剤以上を服用している場合には症例に応じて慎重に対応する.生検では,抗血栓薬服薬の有無にかかわらず一定の頻度で出血を合併する.生検を行った場合には,止血を確認して内視鏡を抜去する.止血が得られない場合には,止血処置を行う.」と推奨文に明記されています。

この情報が浸透し、安易な休薬による脳梗塞が減少することを願っています。
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