一度公開した記事を一旦停止しました。対策は上手くいったかに見えましたが。。。顛末を後半に掲載しました。
いつでも好きな時にどうぞ状態になったアマチュア無線。。ソーラーサイクル終盤となっても太陽黒点数(SSN)は200を越える日があり相変わらず短波帯は好調です。
春型コンディションの日中が良く飛ぶ状態から夏型の日が落ちてから好調に変わった頃ある事に気づきました。電信のキーダウンに反応してセンサーライトが誤点灯します。明るい時には点灯しない設定としてあるので夜に運用するようになって始めて気が付きました。
web上ではセンサーライト誤点灯の怪は沢山の都市伝説があり見ていて飽きません。赤外線を探知する仕組みに由来するもので今回のはちょっと発生原因が異なります。
HFの100Wと144Mhz、430Mhzでもフルパワーで誤動作し周波数に依存していないようです。アマチュア無線でのインターフェア電波障害は実に厄介で対処を間違えるとご近所トラブルの原因になったりアマチュア無線そのものを止めなければいけない事態に発展します。笑えないのは引越し転居を余儀なくされた話も現実に有るようです。
将来は200Wや1KWを夢見るハムにとって100W程度の出力での障害を解決できないとなると死活問題。そりゃもう真剣です。
ただでさえ得体の知れない大きなアンテナを風に揺らし不安を感じさせているかも知れない所に電波障害なんぞ出した日には。。。。
インターフェアは他にないかを再確認したところ自室TVの音声にノイズと5個あるセンサーライトの内2個が反応します。他の部屋のTVには影響が無いのでTVは後回しにしてセンサーライトの対策をしました。
電波の出力には相関し20~30Wではどの周波数でも点灯しません。 アパマンハムが長かったのでインターフェアには敏感です。既に一通りの対策はしてありましたが今回さらに増強する事にしました。
1)既設アンテナ同軸コモンモードフィルターを1段から2段に
2)電源コードに既設トロイダルコア、ACラインのチョークフィルターに差動・同相フィルターを一段追加
3)センサーライトACラインにパッチンコア4個挿入
と対策を強化してみましたが状況は全くかわりません。障害のある2個のセンサーライトはプラスチック筐体の安物。。障害の無いセンサーライトは国産メーカー品で金属ケースに入っています。この辺の違いが原因か?
送信側での対策はほぼ出尽くしたのでセンサーライト側を重点的に見てみる事にしました。簡易的な防止処置では効果がなかったので無線的には障害に弱い構造と回路と予想できます。恐らくは長い電源コードの引き回しがアンテナとなって高周波エネルギーを拾いセンサー出力トリガー電圧を越えて誤動作、、、
電波の暴露に弱い仕組みの機器、、これは実に沢山存在し設計者はこのような状況を予想できずコスト低減に努力する結果障害が起きやすい機器になってしまいます。一時期の心臓ペースメーカーや航空機の機器等がそうです。予想できてもコストという壁のせいもあるでしょう。
対策はセンサーライトを分解してセンサー出力とドライブトランジスターやIC間のバイパスコンデンサーを追加したりフェライトを追加したりします。
分解する前にセンサーライトのACライン(既にフェライトコア4個装着)に差動・同相フィルターを入れてみたところピタリと誤動作が止まりました。やはり長いACラインがアンテナとなって電波に弱い機器を誤作動させていたようです。ガレージのセンサーライトはこれで止まりましたが玄関上センサーライトは長時間の送信時にたまに誤動作します。劇的改善がみられているので対処方針は変わらずフィルター1段から2段に増やす事にしました。
対策
差動・同相両用型のフィルターを2段にします。このフィルターは送信機AC電源ラインに用いるもので送信機側対策ですが今回は機器側AC電源に使用します。
トロイダルコア FT-82-43に1mmφホルマル線をキャンセル巻きで14回x2
積層セラミック0.1μF、0.01μF(各500V以上耐圧)を各2個 これが1段分ですが今回は2段構成としました。
電源ラインへの高周波の漏洩が有る場合とても効きます。。もっとも不用副射を無くす、減らす措置が優先されるのは当然のこと。。。
適当なケースが見当たらない。。。今回は例の飲み物の空きボトルを使いました。中の様子が見られて且つ防水構造。。。。コアの発熱もあまりありません。
電力通過容量はFT-82-43自体は20A程ありますが巻く線材に依存します。14回x2巻くので1mm程度が限界でこの場合2A位が安全電流値となります。センサーライトの場合は常時点灯させないので多少の超過はOKでしょう(責任持ちませんけど)
ACプラグ&ソケットは単品でホームセンター等でも入手できますが¥100ショップにある延長コード1m~2mが安くていい。。
最後に自室のTV対策。。。地デジチューナーのアンテナ同軸と電源ラインにパッチンコアを付けて止まりました。
電波障害は出したくて出してる訳じゃなくましてや違法な無線局や無線機器を使って居る訳でもありません。数十年前の無線環境から比べると随分出にくくなって来てるとは思うのですが電波に弱い機器が有る以上避けて通れません。
障害は出なくても送信機側の対策は万全を期すべきでアマチュア無線家がいるお陰でフェライトコアを作ってる会社は無くならないじゃないかと思う(・・・・ ・・)
秋葉原ではフェライトコアを取り扱ってるお店が沢山ありますが仙石電商の通販がお勧めです。価格自体はお店で買うより一割ほど高くなり送料は一律¥432掛かるけど。。送料は電車賃より安い 因みにパッチンコアは秋月電子の店頭ワゴンのが安くて種類が豊富です。。秋月の通販は送料が高いのでコレは買いに行くが。。。。。w
インターフェアには沢山の種類と原因があり複合的に絡み合い対処は中々難しい。。今回のフィルターは安くて製作も簡単なので試してみる価値は十分あります。
ところが。。。
翌朝フィルターのケースを見て愕然としました。ケースが熱で変形し数個の積層セラミックコンデンサーが飛び散っていました。
耐圧は103が1KV 104が500Vとして購入したものです。AC100Vの尖頭電圧を考慮しても十分なはずで電波の影響を考慮しても十分と考えましたが。。。。
耐圧試験を行いました。。。AC100Vに103と104を並列に接続して数時間放置 両方とも触れない程ではありませんが発熱しています。他に製作した3KVコンデンサー使用のフィルターでは全くこの不具合がなくコンデンサーの耐圧か電波が乗って共振したのかよくわかりません。
コンデンサーの耐圧は大きさにも現れますがコレは少し小さい気がします。103 630V耐圧品と比べても半分以下です。。。
この不具合はちょっと危険なのでコンデンサーを交換しコアを1段にして作り直しました。
センサーライトの一つの取り付け場所を数m移動しACの接続位置を変えたところHFでの誤作動がありません。場所もさることながらACラインの取り出し位置変更が大きく影響しています。やはりアンテナ化していたようです。
この状態で144Mhzだけが移動したセンサーライトを誤作動させます。ホイップアンテナのFM50W機では問題なく50WのCWで反応。。。。
作り変えたフィルターをACラインに挟んだところ誤作動は起こらなくなりました。しかしこれはたまたまの条件でさらに出力やアンテナを替えるとどうなるか予測がつきません。
RFIとはもぐら叩きのようなもの。。。。。