ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

魔法陣

2008-01-14 21:15:05 | 70's J-プログレ
 なんとも異様なジャケットでして・・・ちょっと不気味かも。<魔法陣>は、現在<KBB>等で活躍中の超テクニカルドラマー<菅野詩朗さん>が在籍していたバンドで、1978年に某音楽雑誌のメンバー募集欄を通して集まった、キーボードの<志賀敦さん>、ベースの<岡田やすしさん>と、菅野さんの3人で結成されました。バンドは志賀さん宅でリハーサルを数こなしてデモテープを制作したそうです。サウンドは志賀さんのキーボード主体のカンタベリー系のプログレで、オルガンやメロトロンをふんだんに用いて独自のスタイルを築いていったとか。ところがライブは2回ぐらいしか記録がなく、また菅野さんが<グリーン>というバンドに加入したために、バンドはわずか1年で解散したそうです。今回のこのアルバム<組曲(バビロニア)>は、志賀さんの4トラック・デッキで当時録音されたものですが、マスターテープが紛失してしまっていたために、ダビングしてあったカセットテープの音源を元に調整して、1991年にCDとして陽の目をみたそうです。
 1曲目は「バビロニア組曲」。a).イントロダクション、b).ニューバビロンⅠ、c).ニューバビロンⅡ、d).最終都市B.C.538、e).エピローグ、の5部構成です。静かなSEから盛大なオープニングを迎えます。キーボードはキース・エマーソン氏のサウンドに似てますね。「イントロダクション」は、後の86年のEL&PowellのThe Scoreのように明るく元気が湧いてくるような楽しい曲調ですね。こういうの大好きです。「ニューバビロンⅠ」は綺麗なメロディの雄大な感じの曲ですね。中盤からテンポアップしてハードロック調に。菅野さんのパワフルなドラムが楽しめます。「ニューバビロンⅡ」はマーチングスネアからスタートする軽快で朗らかなメロディの明るい曲です。後半は再びハードロック調に。「最終都市B.C.538」はイントロダクションと同じですね。というか、イントロダクションがこの曲のフレーズを使っているんですね。「エピローグ」はピアノの小曲で静かに終わります。中だるみなど全くない21分を超えるダイナミックな超大作、ほんと凄いっす! 2曲目は「キャリオット」。アップテンポの壮大な曲で、まるで大空を飛んでいるかのような爽快感と心地よさですね。 3曲目は「バベルの塔」。パイプオルガン調の荘厳なサウンドからはじまるミディアムテンポのスペーシーな曲で、変拍子もありドラム・ベースのリズム隊大活躍ですね。 4曲目は「フェスティバル」。前半はまるで音が空間を浮遊しているかのような前衛的な不思議感覚で、後半からリズムが入って各楽器が自由に演奏しているかのようなインプロビゼーションのジャズ感覚ですね。6分ちょいでフェードアウトしてしまうのはもったいないくらい。
 ジャケットからして暗く重い不気味サウンドではないかと警戒していたのですが、とんでもない!すべて明るい曲調でしかも軽快なリズムでビックリ!嬉しい不意打ちでした。素晴らしい楽曲群です。いまから30年も前の4トラックでの録音でしかも、カセットテープ音源ということで音質は決して最高ではないですけど、ブート音源を聴きなれてる自分からすれば充分に楽しめるA級クラスですね。音源がこれだけしかないってのは、ほんと惜しいです。ゆったりした曲とかもあったら聴いてみたいし。
70年代後半のプログレ低迷期に、“時代にあわない”という理由で闇に埋もれてしまったお宝音源がこうして聴けるだけでも嬉しいです。いまはネット社会。なにもお金をかけてCDをプレスする必要なんてないんですから、せめて有料で貴重な音源を配信してくれるサイトなんかが出来てくれたらいいんですけどねぇ・・・権利関係が難しいかなぁ・・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。