ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

宮野弘紀さん 1

2009-05-12 19:57:17 | ジャズ
 昨年、女性ピアニスト<宮野寛子さん>のライブを観にいったときのこと。自分の席はギタリストのすぐ前の席でした。そのギタリストとは<宮野弘紀さん>だったんです。実は自分は宮野弘紀さんのことはそれまで全く存じてなかったんですよね。で、初めて真近で宮野さんのギター演奏を見て、そのサウンドとテクにもうめっちゃ感動しちゃったんです。もちろんそのとき会場で販売していたアルバムも買って、家に帰ってからさっそく宮野さんのことを調べてみました。
 宮野弘紀さんは、10代のころからギターを始められ、ジョン・マクラフリン氏やジャンゴ・ラインハルト氏等のアルバムを聴いて、ギタリストになろうと決心されたそうです。そしてベーシストの中山英二さんと出会って活動を共にするようになり、北海道や東北のJAZZ喫茶等で一緒に演奏されたそうです。そして中山さんのアルバムに参加され、中山さんとともに東京へ。その後、JAZZ雑誌の編集長や音楽プロデューサーに見出されてデビューアルバムを制作されます。それが1981年に発表されたこのアルバム「マンハッタン・スカイライン」です。このアルバムはなんとニューヨークのスタジオでレコーディングされたそうです。宮野さんを見出したプロデューサーというのが、巨匠マイルス・デイビス氏もプロデュースされた<テオ・マセロ氏>で、1980年の11月に当時のニューヨークの人気ミュージシャンを集めてスタジオで一斉に音を出してセッションをそのままレコーディングされたとか。ちなみにそのセッションではテオ氏自らセンターでタクトを振るわれたそうで。いちギタリストのデビューアルバムとしては破格の待遇ですよね。それだけ宮野さんの才能が評価されてたんですね。ではアルバムのほうへ。
 1曲目は「Let’s Make Merry」。ミドルテンポのとっても明るく楽しいトロピカルムードたっぷりの曲です。サンバとレゲエをミックスしたような感じでしょうか。中盤にはSaxソロが。続いてパワフルなギターソロが。この曲は宮野さんは当初レコーディングしないつもりだったそうですが、テオ氏に「すごくいい曲だから絶対にやれ!」と言われたとか。
 2曲目は「Sunset City」。ゆったりとさわやかなムードからはじまります。まずはギターのリフレインをバックにフルートの素朴な音色がおだやかに心地よく響き、そして中盤にはエモーショナルなギターソロ、続いてもフルートソロ。真夏のそよ風のような爽やかさですね。
 3曲目は「Teo’s Dance」。アップテンポの軽快なリズムからはじまるドライブ感たっぷりの躍動感あふれる曲です。爽やかな女性コーラス、パワフルなSaxソロ、綺麗な音色でしかもアグレッシブなピアノソロ、そしてお待ちかねのテクニカルな早弾きギターソロがたっぷりと。この曲はノリノリの大セッションだったそうで、テオ氏が踊りながらタクトを振ってたことからこの曲名になったそうです。
 4曲目は「Bird on The Wind」。ゆったりとした穏やかな雰囲気からはじまるのどかで心地よい曲。真夏に日影でお昼寝しているかのような感じですね。とっても爽やかでゆったりと。ヴァースはフルートが素朴で優しい音色を響かせ、中盤には軽やかでトロピカルなギターソロが。
 5曲目は「Slow Down For Love/恋にスローダウン」。この曲はこのレコーディングにあたってかのアール・クルー氏が提供してくださった曲だそうです。ギターの早いパッセージからはじまる、ミドルテンポのとっても優しく綺麗な曲調ですね。愛の音色に包み込まれてしまいそうです。中盤からはアップテンポで爽やかで軽やかなギターソロがたっぷりと。
 6曲目は「Song of Clouds/雲のうた」。この曲にはレコーディングにも参加された川崎遼さんがこのアルバムのために作曲されたそうです。ゆったりと哀愁を感じる音色がしっとりとながれて、素朴な音色のギターフレーズが。しっとりとした抒情的な雰囲気の曲ですね。中盤は川崎さんのシンセギターソロが、終盤には宮野さんのテクニカルなアコギソロが。
 7曲目は「Summer Light」。この曲はテオ氏の曲だそうです。ダイナミックなリフからパワフルにはじまりますが、すぐにゆったりとした落ち着いたムーディな雰囲気に。パワフルなSaxの音色と素朴なギターサウンドが絡み合って。中盤にはエモーショナルなSaxソロ、続いてはギターソロが。
 8曲目は「Go Away From Summer」。哀愁ただよう雰囲気からはじまり、美しい女性のスキャットとギターがユニゾンで綺麗なメロディを奏でて。そして一転アップテンポで軽快でテクニカルなギターソロが。めっちゃドライブしてますね。ラストは再びゆったりとしっとりと美しく。
 9曲目は「Manhattan Skyline」。この曲は“マンハッタンの雑踏のなか、ふと上を見上げたら抜けるような青い空が広がって・・・”というイメージを元に作曲されたそうです。ゆったりと幽玄な雰囲気からはじまります。まずはSaxのエモーショナルなフレーズが響き、そしてトロピカルなパーカッションがはいって美しくも軽やかな感じに。中盤まずはエモーショナルなSaxソロ、続いてはレゲエっぽいリズムでテクニカルなギターソロが。そしてめっちゃエネルギッシュなギターとSaxのソロバトルも。 
 アルバム全編通してとっても爽やかな空気に包まれていますね。どの曲にもバックには青い澄んだ大空が垣間見えるようです。とっても素敵な心地よい曲いっぱいのアルバムですね。
 このアルバムは当時JAZZ雑誌の国内最優秀賞を受賞され、新世代のアコースティックギタリストとして脚光を浴び、その後も大活躍されます。ちなみにこのCDは2007年に紙ジャケ再発されたものです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。