解雇・退職110番

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by 竹林社会保険労務士事務所

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解雇-民法との関係-

2004-11-22 18:55:32 | 解雇の知識

【解雇と民法の関係】
 前回、解雇は「使用者が雇用の契約を一方的に解約して使用人をやめさせること。」と書きましたが、ここに雇用契約という言葉が出てきます。これは民法第623条から第631条に記載されていて、中でも解雇について注意が必要なのは第627条と第628条です。

 民法第627条「当事者が雇用の期間を定めていないときは、各当事者は何時でも解約の申し入れをすることができ、この場合雇用は解約申し入れの後、2週間を経過することによって終了する。」これが、雇用の解約が申し入れから2週間で自動的に成立すると言われる所以です。

 しかし、同2項では月給制のときは、賃金計算期間の前半に退職を申し入れた場合は、その賃金計算期間の末日に雇用契約が終了することになり、賃金計算期間の後半に申し入れた場合は、次の賃金計算期間の末日に雇用契約が終了することになるとしています。
※詳しくは辞職と民法との関係で再度触れます。

 また同法第628条では有期雇用契約の解約について定めていて、労使どちらかにやむを得ない事由があるときは、いつでも解約できるとしています。但しこのとき、債務不履行による損害を相手方に与えたときはその賠償責任を負うことになります。この損害賠償は同法第415条に定めがあります。

 ここまで書いてきたことは労使どちらにも言えることです。
しかし、労働者保護の観点から労働基準法が定められていますので、労働基準法に定めがあるものは民法より労働基準法が優先することになります。これは民法を一般法として特別法である労働基準法が成り立っているためで、法律は一般法と特別法があるとき、特別法が優先されることになっているからです。そして解雇は労働基準法に明確な定めがありますので、使用者側からの一方的な雇用契約の解約は労働基準法に従うことになります。なお、特別法に定めがないものは、一般法に戻って判断することになります。

 これを一つの例で見てみましょう。〔1年契約のパートタイマーで時間給制社員を解雇するとき〕

 この人を解雇するとき、まず民法上は第627条1項と第628条の縛りを受けますが、第627条1項より労働基準法第20条が優先しますので、解雇予告は30日以上前にしなくてはなりません。
次に債務不履行による過失責任は、労基法上には定めがないため民法第628条が適用され、過失により相手方に損害を与えたときは賠償責任を負うことになります。この損害賠償額は期間満了までの賃金相当といわれていますので、仮に3ヶ月で解雇したときは残り9ヶ月分の賃金相当額の賠償を求められることがあるのです。


【まとめ】
(1)解雇の手続は民法でなく労働基準法の定めに従います。
(2)労基法に定めがないこと(損害賠償など)は民法に戻って判断します。


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