HPのMIDIのショパンのワルツ(9番)「別れ」(作品69-1)のところで、リパッティというピアニストの話を書いたんだけど、ちょと補足するでつ。
まあ、知ってる人には、今更な話なんだけれども。
リパッティという人は、1950年に白血病(本当は悪性リンパ腫だったらしいけど)、その死の2ヵ月半前に行なったのが、あのリサイタルなわけです。
もう、その時点で助からないということは、本人も観客も分かっていたわけですが、
「死を目前にして、ピアニストは何をするか」っていう質問にそのリサイタルで答えたような感じです。
ピアニストに限らないけど、そのような形で全うする人は、やっぱ凄いわな。
もちろん、リパッティは「神によって、ほんの束の間、貸し与えられた楽器」なわけで、誰でもがそんな特別ではないし、亜晩年に変節したからって、駄目ってわけでもないけど。
(まあ、変節の理由や仕方にもよるか)
そのリサイタルでは、バッハからモーツァルト、シューベルトと来て、最後がショパンの14のワルツの予定だったわけです。
なんつってもリパッティってばショパンのワルツやさかい、これをはずすわけにはいきまへん。
かれはその14曲を独自の配列で演奏するわけです。スタジオ録音の時もそうしたし、このリサイタルでも、また違う配列で弾いたわけですが、13曲弾いて、あと第2番だけとなったときに。沈黙が続いたのだそうです。
もうその曲を弾く力が残ってなかったのですね。
そりゃそうだよ、ピアノを何十分も続けて弾くのは重労働だもの。
ガンで死期が迫っている人にとってはまさに最後の力を振り絞ってやっているわけで、もう無理です、といったって観客はおこらないでせう。(泣く人はいるだろうけど。かなり)
んで、その沈黙の後に、ワルツの2番は弾かなかったけど、なんとかバッハの「主よ、人の望みと喜びを」をひいたそうです。
んでも、これはCDには入ってないのだ。
だから2番の抜けた14のワルツだ最後なんだよな。
仮に、本当にリパッティが「神によって、ほんの束の間、貸し与えられた楽器」だったとして、神はいったい何を言いたかったざんしょ。
はい、これは来週までの宿題です。(←関係ない)
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