Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

大嘗祭が示す「天皇」の定義

2019-11-17 18:56:00 | 歴史
即位関係の儀式のクライマックスとなる大嘗祭が行われました。
平成の時はメディアも憲法上疑義があるとか言いたい放題でしたが、世論をごまかすことができない昨今、メディアだけが騒いでいることがもろバレとなってしまっただけに、粛々と報道していました。

それでも東京駅前での反対派の行動を報じるあたり、どうしようもないサヨクのDNAというか、少数意見の尊重とはいっても、こういう報じ方をするのであれば、どんな異端説でもメディアに報じてもらえるという優遇になるわけで、異端説、少数説の優遇まで認めるべきなのかを問うべきでしょう。

大嘗祭そのものへの批判が支持を集めないから、こんどはコストガーときました。
秋篠宮殿下の発言を金科玉条のように振りかざしていますが、残念ながら大嘗祭を否定しているわけではないので、サヨク連中の意図とは違うんですよ。あるいは内廷費でするにしても、お金がないからと言ってどこまで省いていいのか。これ、大嘗祭をできないような内廷費では困る、という論点の可能性もあるんですよ。

それはさておき、27億円を振りかざして何がしたいのか。
一世一代の儀式。日本の文化の根源ともいえる「神」にかかわる儀式を27億円でできるなら安いもんです。もちろん政府関係者などの宴会にかかる費用こそ削減すべきであり、その分を儀式をもっと充実させたいですね。そもそもどういう形態だったのか、という調査から始まる準備にお金をかけるとか。

政教分離にしても、前から言っているとおり、我が国は天皇を象徴としているわけで、「天皇」とは何ぞや、と考えた時、そこに政教分離のような概念は馴染みません。宗教的存在を兼ね備えていることが天皇であり、そうでなければただの馬の骨です。万世一系、男系男子でつながり、伊勢神宮や宮中の祭祀を主宰する、という定義を満たすのが「天皇」であり、その即位の儀式として必要な行為は政教分離という概念の外にあります。

というか、特定の主教を優遇とか排除といった概念ではなく、天皇に関する分野は、必然的に宗教色を帯びるしかないわけで、そこから宗教色を排除したら、「天皇」の定義を満たさなくなり、じゃあ主権在民や自由平等の例外として象徴とする意味はあるのか、となります。
その意味で、例の反対派の連中が身分がどうのと言ってますが、特別な家系を仰ぐという制度設計なんですから仕方がないのです。いやなら憲法改正ですよ。

あの手の反対派のみならず左派系メディアも、まあ、天皇制を廃止したいという邪悪な考えが隠し切れないから、「権威」の根源である部分を排除できれば「馬の骨」ですから、あとは何とでもなる、というよこしまな考えでの発言なんでしょう。






陛下と同じ振る舞いが問題

2019-11-12 22:45:00 | ノンジャンル
首相主催の「桜を観る会」が、予算規模の拡大への批判に始まり、出席者選定への疑惑まで噴出しています。後援会など「関係者」の出席は疑いのない事実ですが、主催者でありながら選定は知らない、というのは通りませんよね。選定基準が問題なのに答えない。いつもの首相のやり口です。

そして逃げ込もうとしているのが、「桜を観る会」は民主党政権でも実施していたからブーメランだ、という主張や、こんな些末なことで時間をつぶすなという主張。すでにシンパがあちこちで吹聴していますが、逆に主催者側の内情を知っている立民など野党は、「自分たちはこうだった」という事実を示せばいいのです。あるいは自分たちも後援会を優遇したという暴露でもいいでしょう、そういう風習だったというのを明るみに出せば、これまでなかなか得られなかった国民の支持を得られるでしょうね。そしてスルー推奨はよほど触れれたくない話ということを自白しているようなものでしょう。

そもそも「桜を観る会」自体が必要なのか。
戦前の外交を志向した観桜会を、主権在民の世の中だからと首相主催にした経緯はありますが、園遊会が復活し、内外の功労者を招待するという場はそちらになっています。

類似の行事を天皇陛下と首相の主催でそれぞれ行うことに何も感じないのか。
一般的に君主と同じ、あるいはそれを凌ぐイベントを開くことは、その主催者が自身の権威は君主を凌ぐことを世に示す目的や効果があるわけで、それを主催したのは二重権力状態か、のちに簒奪者になるかのどちらかというのが歴史が示しています。

日本では皇室がずっと統べて来た伝統があるから気が付きにくいですが、摂関政治や秀吉にその傾向が若干みられる程度ですが、中国であればそういう挙に出る存在は「皇帝一歩手前」であり、やがて瑞兆が見られたというようなごますりが始まり、禅譲に至るのが通例です。

そんな大それた発想ではないでしょうが、それくらい不遜な行動なんですよ。




フェリーが招いた国民負担を思えば

2019-11-12 22:42:00 | 交通
宇高航路の最後の1社となった四国急行フェリーが休止を発表しました。
国鉄のほか、航送専門を含めて3社の競演だった最盛期はひっきりなしに行き交っていたのが、今やわずか5往復になっていましたが、遂に終焉です。

船会社は瀬戸大橋の割引拡充が航路存続に不可欠な利用を確保できなくしたと理由づけており、さっそく道路偏重ガー、という頭の悪い意見が湧いていますが、そもそも架橋されれば航路は廃止、というのが原則ですが、本四架橋の場合は廃業する船会社には補償金を出す反面、航路存続を認めたため、償却費負担が全然違う船会社との競合で当時の本四公団と本四道路の利用は伸びず、結果として元利合わせて1兆3000億円が国民負担になったという経緯を忘れてはいけません。

宇高航路の「利便性」とやらは、間接的に人口比で負担するに過ぎない1兆3000億円をベースに確保されているわけで、瀬戸大橋経由に集約することで、全額負担は無理でしょうが利用者負担で償却して回避できた国民負担を考えたら、遅きに失した感もあります。

現在でも生活航路名目で港湾使用料の免除などの公費支出がありますが、瀬戸大橋で代替できない利用は一体どの程度なのか。時間はかかるが直島経由ではダメなのか。自転車や小型二輪は同じ問題が起きた明石海峡でも搭載可能な高速艇を導入したように、やり方次第です。

ちなみに所要時間では宇高航路とJR(茶屋町経由)に実質の差はなく(ダイヤが拙く茶屋町で長時間待ちが発生する)、直島経由でも高速艇利用なら早く、フェリー利用でも実質10分程度の差ですから、JRや直島航路にダイヤの修正を促し、受益者である玉野市と高松市が利用者に補助を出すといった手法のほうが費用対効果は高いです。

瀬戸大橋経由では輸送できない貨物がある、という懸念の声をメディアは報じていましたが、そこまで配慮すべき話なのか。当該企業にとっては死活問題ではありますが、じゃあそこまで公共に配慮を求め得るかという話です。専用船を確保する、あるいは内航貨物船を都度チャーターし、そこへ補償金的な投入を行うというのが落としどころでしょう。架橋によって輸送できなくなるジャンルが発生するのであれば。



一世一代のイベントだったが

2019-11-11 23:37:00 | ノンジャンル
祝賀御列の儀はつつがなく行われましたが、各メディアが警備や「満席」を殊更に取り上げていたのは興醒めというか、何とかしてケチをつけてやろうというあさましい感情が見えて嫌でしたね。新聞と違い保守色が薄いフジテレビもそうでしたから。

ただ警備はともかくとして、観覧場所の確保についてはどうにかならなかったのか、としか言いようがないですね。事前にご成婚の際の20万人を超えるのでは、という報道もありましたが、そもそも12万人弱で「満員」となるような設定だったわけで、明らかに過小です。

一方で事前の荷物チェックに時間を取られ、パレード通過に間に合わなかったとか、さすがにそれは拙かろうと直前にフリーパスにしたケースとか、これも「不手際」です。
文字通りの一世一代のイベントでこのドタバタは、警備を理由にしてすべて終わらせてはいけないでしょうね。

ところで、祝賀パレードの車列で不思議な点が一つ。
秋篠宮ご夫妻も車列に入られたのは分かりますが、首相と官房長官って、必要だったんでしょうか。

パレードは昭和のご大典で東京から京都に移動された時の馬車列を先例に、上皇陛下のご成婚時のパレードにつながり、平成の即位礼、今回と続くわけですが、昭和の時のように東京から京都への長旅なら、自身も参列する首相が供奉するのは当然ですが、ただのパレードで首相と官房長官はいらないでしょう。わざわざ供奉するというほどのものじゃないですし、それで車列が水増しされているのですから。



上げ底のコスト談義

2019-11-10 01:53:00 | 交通
夜行需要は確実に存在する、アコモが旧態依然だったせいだ、と夜行列車、とりわけ寝台列車の安楽死を批判すると、毎度の理由を持ち出すのがお約束になっていますが、こんどはなんですか?シャワールームが必要でそうであればコストがかさむという新手の理論が出てきました。

原価計算もろくに理解していないコスト配賦で「採算が取れない、ドヤッ」というのはもはや様式美ですが、コスト積み上げに余念がないようで、こんどはシャワールームの設備投資とそれに伴う寝台(個室)数の減少という「行って来い」の計算を持ち出してきました。

今時の寝台車はハネでもシャワーがいる、じゃないと「走るホテル」じゃない、ビジネスに使えない、というもっともらしい理由ですが、じゃあ今現在「夜行」がビジネスで使われているシーンを全くご存じない、ということがよくわかります。

そう、国際線航空機にシャワーなんてありますか?という話です。ごく一部のエアラインのA380のファーストクラスの上位クラスにあるくらいで、あとはラウンジのシャワールームを使うしかありません。欧米線だと定価で100万円超のビジネスクラスはもちろん、200万円超のファーストクラスでもです。(往復運賃。なお「片道」は基本発券しないので往復の7~8鰍ッと大して変わらないことが多い)

ラウンジのシャワールームもだって成田や羽田はホテル並みの内容としっかりしていますが、それは基本搭乗前で、アライバルで使えるかというと、上級会員では不可、日系のC席以上のみ(成田)とか、専用の設備はなく共用を無料で提供(羽田)とか、事実上使えない状態で(時間もないですし)、そのまま出社してますよね。海外のラウンジはシャワーはあっても推して知るべしですし。

どうしても、という時にはホテルを取りますが(特に現地早朝着でそのまま当夜の宿泊がある場合)、だったら夜行列車でも同じ話ですし、地上側に設備を置くことは車内に置くよりもコストは安いですし、一般利用を受けることで回収も容易になります。

まあ夜行列車、寝台列車を否定したいから、と持ち出してかえって何も知らない、ということを露呈した格好ですね。