Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

暴力はいけないが、しかし

2010-12-26 16:21:00 | 交通
年の瀬ということでお酒を飲む機会が増えることもあり、またぞろ「暴力はすべてを壊す」キャンペーンが各社で始まりました。

昨年は家族写真にひびを入れて、暴力事件で家族を失いますよという「脅し」でしたが、今年のそれは会社内での風景を取り上げ、暴力事件で仕事を失いますよと脅しています。
まあ暴力事件=離婚、失職という法律はないですし、会社の懲戒制度においても刑事罰の内容次第というわけですから、何か起こしたら家族関係、会社関係で連座させられるという「脅し」は、法律にないペナルティを、法律に従って職務を執行する警察庁の名義で「脅す」というかなり際どい内容と言えます。



さて、確かに暴力はいけませんが、前にも言った通り私はどうもこのキャンペーンに好感が持てません。
大の大人がキレるのは情けない、という論調に持って行きたいのがこのキャンペーンの主体とそれに乗っかるメディアですが、いかに酒が入っているとはいえ、大の大人がキレるほどのストレスを感じるのはなぜかという部分において、この「脅し」の主体である鉄道事業者の対応に全く非が無いとは到底言いきれないからです。

そういう意味では今回のャXターの「殺し文句」にある「上司や同僚たちに信頼され、やりがいのある職場。仕事を通じて社会の中に築いてきた人間関係。」というくだりは実に皮肉なものを感じます。



「貴方の地位を失いたくないでしょ」と言いたいのでしょうが、そういう「やりがいのある職場」であればあるほど、昨今の鉄道などの現場で見る対応のようないい加減な対応は絶対に許されないのです。
不必要な全線抑止、目の前のことも分からないと言い張ったり、寸秒の間に二転三転する不案内、こうした無駄で不誠実な対応を部下が悪びれずに取ったとしたら、まともな上司なら厳しく叱責しますし、現場の安全が係わる局面などの状況によっては手が出てもおかしくありません。そしてそういう状況であればパワハラとされることもまず無いでしょう。

そう、やりがいのある職場で、人間関係を築いてきた人であればある程、その立場で見たら昨今の対応は論外なのであり、暴力は論外としても、罵刀A叱責するほうがかえって正常とも言えるわけです。
自分の職場なら、また自分の部下ならあり得ないし、厳しい叱責の対象となるような対応に大多数の利用者は声も上げられずに耐えているという現実に甘えて、「いいんですか?」と脅しまで鰍ッられると、暴力はいけないという絶対的な正義があるだけに文句は言えませんが、非常にもやもやとしたものを感じざるを得ません。



ジャーナル1月号

2010-12-26 15:55:00 | 書評
完全に月遅れになりましたが1月号の書評です。

誌面の上では2011年に入って最初の号は東京の通勤電車が特集で、12月改正に合わせて「東京メガループ」を取り上げています。
鶴見線から南武支線、南武線、武蔵野線、京葉線からりんかい線を通り埼京線という最後はやや拡大解釈というか蛇足気味な区間も含みますが、どちらかというと脚光が当たらない線区でもあり、ルモニいう意味では良いタイミングでしょう。

そういう意味では横須賀線・湘南新宿ラインの駅が開業して脚光が当たる武蔵小杉を筆頭に、旧来のイメージが全く通用しないレベルの変貌を見せている南武線をキーにしたのはタイムリーとも言えます。
鹿島田の日立、武蔵小杉のNEC、武蔵中原の富士通と、情報・通信産業大手が並ぶというのも特徴的で、意図せずなのか、意図してなのか、この同一路線上への集中は興味深いです。

武蔵野線から東北貨物線の分岐に関して、西浦和の武蔵浦和寄りに両渡りがあるように書いてますが、撤去(使用停止)という説もあり、「むさしの号」も通過しているあたり、古いデータで書いたのか。南浦和で大宮方面への乗り換えが多いのに驚いてましたが、埼玉県の政治、経済の中心である浦和、大宮への流動を考えたら逆に当然の話です。

あとは続いての京葉線特集で詳細が出てるとは言え、新金線~総武線経由だった貨物列車を武蔵野線経由に変更した際の貨物列車の待機ャCントとなった西船橋の配線変更に言及が欲しかったですね。
新木場の進路が副本線側という解説も出自との絡みで重要な話。こういう細かい描写が必要です。

京葉線特集はおさらい程度のネタで、柱のもう一つは東京メトロ東西線の混雑対策。
クロマティックダイヤによる検証で混雑緩和を実現した話はNHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」でも取り上げられた話ですが、確かにこうした秒単位の分析、ワイドドア車の導入に時差通勤への誘導などあらゆる手段を活用しているのは立派です。

しかし、輸送力がパンクして破綻状態にあるのを取り繕っているだけというマクロでの視野が全くないのが気になります。「快速のスタイルが変容」と流していますが、総武線のバイパス機能、というか、東葉高速線との直通が始まり、より遠距離通勤対応のニーズが強まっているのに、葛西地区への対応を最優先したことで、全通以来の需要に対して負担を強いているのが現状というマイナス面をどう見るか。

全通から40年来、西船橋以遠からのニーズが減って「変容」したのではなく、快速が使い物にならなくなってやむなく「変容」したというのが現実です。
なぜ副都心線後の土木プロジェクトは東西線の抜本改革と打ち出さずに、小手先の対応と遠距離ニーズの「追放」という非常手段を容認するのか。門前仲町に続く茅場町改良の計画も紹介されていますが、それでは足りないのは明白です。

そもそも全通当初開業した地上駅は複々線化を視野に入れた構造になっていたというのは有名な話であり(特に行徳駅上屋の構造)、輸送量の増大に応じてそのプランを実行に移すべきところ、用地確保の問題はありますが、全く手をつけないまま来てしまったところに今日の「破綻」があるわけですから。

余談ですが15000系のアコモが10000系に比べるとシンプルであり、それは既存路線の増備車だからとしていますが、続く記事にもある千代田線16000系が同じ「既存路線の増備車」なのに10000系らしさを残しているのと比較すると、メトロ社内で東西線ユーザーがいかに舐められているかがわかります。

連載記事ではまず日本縦断各駅停車。琵琶湖線の草津から近江八幡、安土、南彦根の4駅。
近郊都市と歴史の街の混在というエリアですが、目配りのバランスが取れています。欲を言えば近江八幡での旧市街の取り上げ方がやや雑で、文章の端々からは現地で見た様子が伺えますが、もう少し重きを置くべきャCントでした。

「鉄道の町」は長門市。昔日の栄光をしのばせる枯れた風景がテーマのようでもある中、金子みすゞと「みすゞ潮彩」という明るい話題も交えての内容を見ると、さすがにまだまだ現役の町という印象。
「カンカン部隊」に触れるのなら、長門市ではないですがその先の滝部からは84年2月の改正まで下関行きの始発が3時台に出ていたというのにも言及して欲しかったですね。

あとは松江の社会実験。JR特急の無料化(によるフリークェンシーの向上)などJRの活用が効果を出していたとあり、時間が読めて「速い」交通機関が使えるようになると自ずから選択肢の筆頭になるわけで、HRTの特徴こそが利用者に求められている要因と言えます。そういう意味では軌道系交通機関といえば猫も杓子もLRTという風潮が利用者のニーズに合っているかどうか、という危惧が出てきます。

最後に余談ですが、東西線の記事で、情報端末に頼ることで接続への許容度が低下してクレームが増えたという話の後、ホーム上や歩行中の操作が増え、危険というほか、歩行速度が低下してラッシュの混雑に拍車をかけているというくだり。まさにその通りであり、ぼんやり携帯を操作しながらノロノロと歩く手合いの増加が、ホームや特に階段での移動速度の低下、また衝突事故を生んでおり、そろそろこうした手合いを規制する必要もあるのでは、と思います。


論外な排除

2010-12-25 12:16:00 | 交通
いよいよ来年3月12日に九州新幹線が全通します。
末端といったら鹿児島の人に失礼ですが、末端側からの開業という異例のスタイルで、フル規格というのに非常に影が薄い新幹線でしたが、いよいよ表舞台に立つ感じです。

東京直通は無いですが、新大阪までは直通するということで、関西地区でもJR西日本による「九州!直結!新幹線」キャンペーン広告が早くも掲出されており、前景気を煽っています。



ところがせっかくの開業ムードに水をさすニュースが飛び込んできました。
東海道、山陽新幹線の全線で使えるはずのEX予約とEX-ICですが、九州新幹線では使えないというのはわかっていましたが、なんと山陽新幹線内のみでの利用でも使えないというのです。

「みずほ」「さくら」は「のぞみ」「ひかりレールスター」の一員として運行するはずなのに、それが使えないのです。東京からの利用でも、新大阪や岡山などで乗り継ぐパターンが提示されるというのに、今度からは使えないのです。

アコモや編成が違うという意味ではレールスターや4連「こだま」でも対象になるくらいですから、N700系ベースの「みずほ」「さくら」が出来ない理由がありません。
列車番号も山陽新幹線内で「のぞみ」「ひかり」「こだま」と重複しないはずですから(重複したら運行管理が出来なくなる)、「みずほ」「さくら」の印字が嫌、という理由しか見えてきません。

もともと山陽新幹線への展開も及び腰だったのが、航空の伸長、特に神戸空港開港に対する危機感で泥縄的とも言える対応で全線展開したくらいで、東阪間のみサービスしていればいいという本音がそもそも推測されるだけに、今回の対応は「やっぱり」という印象すら受けます。

山陽新幹線にとっては博多まで毎時4本、3本といっているのにうち1本が使えませんでは洒落になってませんが、東海道新幹線にとっても実は影響があるわけで、特に姫路、福山、徳山、新山口への対応は「ひかりレールスター」への乗り継ぎが最速となるケースもあり、ここでレールスター代替の位置付けにもなる「さくら」が使えないとなると、首都圏発や名古屋発の利用にも影響がでそうです。

奇しくも3月改正のプレスリリースを見ると、「のぞみ」は徳山、新山口の停車本数は増加しますが、姫路の停車本数を見直すとあり、山陽区間内のみならず東海道との乗り継ぎでも「さくら」を使う必要性が高まる可能性があります。(リリースでは日中広島行き「のぞみ」が姫路停車のままですが、「見直し」とどう整合性を取るのか。朝晩の停車見直しだとそれこそ単純に利便性低下ですが)


(姫新線などICOCA対象外路線に直結しているのでEX-IC専用の券売機がある姫路駅新幹線改札)

ちなみに朝日の記事では「平日朝、会社員らの多くがカードを改札機にかざし、次々と列車に乗り込む。 東海道・山陽新幹線のEX予約の会員だ。 」とあるわけで、それだけEX-ICが普及しているのならますますこうした扱いは自殺行為ですね(棒読み)

EX-ICの普及に関してはちなみに先月今月と新幹線を使う機会に恵まれ、朝夕の様子を見ましたが、未だに大半が紙ベースなんですけどね。私自身市内駅制度の活用や途中下車して翌日さらに新幹線利用という行程の都合からe特急券利用でしたし。
検札を見ていても「ご利用票」はほとんど目にしないわけで、結局e特急券を発券してもらう人が多いのです。

まあそういった些細なことはともかく、EX予約自体は使われていることは確かです。
しかし、利用者の主流であればあるほど、メインツールで使えない列車があれば、それは悲惨なほど嫌われることは過去にも経験があるはずです。

そう、「ビジネスきっぷ」で使えなかった、もしくは「のぞみ利用券」が必要だった頃の「のぞみ」が明確に嫌われていた故事をもう忘れたんでしょうか。
九州直通客で大入り満員になる確信があるのならいいんですが、「使えない存在」として閑古鳥が鳴く破目にならないことを祈るのみです。




成田に行ってきました

2010-12-24 15:02:00 | 交通
いよいよ年末ですが、サイトのほうはなかなか更新できる状態にありません。
成田スカイアクセス開業で四半期恒例の観察記事も終了したので、次は少し時間が経ってしまった外環道の現状を、と思ってたんですが、ここに来て足を痛めてしまい、歩きで見て回るということが難しい状態です。

そういえば多忙にかまけて新型スカイライナーにも乗っていなかったな、と、じゃあそれと新型NEXの試乗をしてお茶を濁すか(爆)、と出かけてきました。
ついでに北千葉道路の観察も少々したので、年始はそれで凌ごうという目論見です(汗)


(毎年同じ飾り物ですね)

で、スカイライナーを堪能して成田空港に着き、いろいろ観察して、さてNEXで帰るか、と改札を通り、未練がましく写真をあれこれ撮っていたら、「おい!●●!!」と呼び止める声が。

えっ?と思い見ると、某社パリ駐在員の友人がいるじゃないですか。
「なんでここに!」とお互いハモリかけたくらいの偶然ですが、一時帰国だそうで、ちょうど同じNEXに乗るとのこと。

まさかさっきからサイト用の怪しいマニアックな写真を撮りまくっているのを見られたか?と冷や汗でしたが、そこは武士の情けか不問でした(苦笑)

結局自分の指定席を捨てて友人の隣で話をしながら都内に到りましたが、指定席の発売がどうも偏っていて、友人の車両は結構乗ってましたが、もともと私が指定した号車はシートマップで見たら誰も予約してなかったほどと、もう少し賢く分散させてほしいものです。

友人とは昨年の一時帰国時に都内で飲んで以来で、あれこれ話をしていた中で出てきたのが、羽田<pリ便の話。羽田便だとマイルその他の大盤振る舞いというのが悔しい、という声に、どうせ城南地区在住なんだから羽田便にすればよかったのに、というと、時間帯が悪いと一言。

結局「ノーマルな」利用においてはあの手のダイヤは不便なのであり、昼下がりの到着のほうが便利ということですから、メディアがそこまでして持ち上げるのも上滑りというわけですが、友人の場合、まあ羽田が至便なエリアなのにお気の毒ともいえる状況でした。

余談ですが、前に成田便の時間帯がイマイチと言う話をしましたが、この日も欧州の寒波の影響で欧州便は軒並み遅れており、友人が乗っていた便は30分程度で済んでいたものの、後発の便は2時間ほど遅れており(ちょうど空港の到着案内で目に付いた)、門限がある成田空港の場合、遅延を勘案したダイヤ設定になってしまうため、欧米便で宵の口から夜の到着は厳しいようです。

このあたりも24時間体制の羽田は確かに便利ですが、成田便も門限超過時は羽田ダイバードとすれば(深夜帯は羽田も空いてるでしょう)いいようにも見えますが、特に保税積み替えする貨物がネックになるので難しいようです。

で、せっかくのNEXですが、友人との邂逅のおかげで、「取材」になりませんでした(苦笑)


お高くとまったB級グルメ

2010-12-24 15:01:00 | ノンジャンル
最近ラーメンで町おこしとか、こだわりのラーメンとか、ラーメンのブランド化、高級化が目に付きます。
とはいえ屋台のラーメン屋を引くまでも無く、大衆食の代表というべき存在であり、どんなに飾ってもしょせんはラーメンというのが現実です。

そういう意味では薀蓄を垂れるような小難しい(小うるさい)食事ではなく、気軽に小腹を充たす、あるいはガッツリ食べるという存在であるべきとは思うのですが、そうも行かないのが現状です。

まあマニアはともかく、評論家?やメディアが祭り上げ、店のほうも勘違いしてしまっているケースが多く、最近はどうも勘違いしてお高くとまっている店が目に付きます。
しかもそれがセコさすら伺わせるものですから始末に終えません。

最近見たケースでは、ご当地ラーメンで名高い某市のお店。数年前に改装してから足が遠くなっていましたが、最近行って見たときのことです。
そこそこ観光地としても有名な街ですが、今般ドラマでも取り上げられたことでまたぞろ観光客の入り込みに期待がかかるためか、店頭、店内に実に強気の張り紙が。

お一人様1人前をご注文いただきます、とのことですが、まあ大の大人が何も食べずに席を占めるということも無いでしょう。後述のケースにも関連するのですが、要は乳幼児が親のラーメンをお椀で分けてもらうような客を排除したいというのが見え見えです。

代替わりしたのか改装時に屋号が変わる前には感じもよく子連れで何回も入った店ですが、こうなると興ざめですね。「大人のラーメン屋」とでも掲げてもらいたいです。

そしてもう一つは我が家から程近い有名店。
いつも行列が絶えない人気店ですが、あるとき店頭を通りかかった時に見えた張り紙には、土日は非常に混雑するので、健康面でも問題なのでお子様連れでの来店はご遠慮下さい、とありました。

これも要はお椀でシェアするような子供が席を占めたら儲からない、という本音が激しく透けて見えるわけですが、健康を心配してます、という偽善ぶりが見苦しいです。

もちろん子連れが鬱陶しいと思う人も多いでしょうが、料亭やフレンチといった格式があり作法がうるさい場所ならともかく、B級グルメの権化といえるラーメン風情が何を笑わせる、というわけです。