マッチポンプにも程がある

みどりの窓口削減問題で言われているのが「えきねっと」などのネット購入が使えない、購入できない、という批判です。好きで並んでいるのでない、おまけにネットや券売機が分かりづらい、インターフェースが最低、という状態であり、最低でも券売機やネットを改善しない限り削減を進めるのはあり得ません。

ところがそうした世間の声を逆撫でするような宣伝をJREが始めています。
混雑する窓口を尻目にスマホでえきねっとを操作して「お先に」と乗り込む芸人という仕立て。その行列は誰が演出しているのか。マッチポンプにも程があるというか、世間の批判に窓口の再開設に追い込まれるような事態でこの無邪気な宣伝は恥を知れとしかいいようがありません。


こうした恥も外聞もない施策に対し、実務の現場では根本的に使えないという話が出ているのを聞きました。
航空各社やEX予約は法人契約のアカウントをプライベートのスマホやPCからもアクセス可能なのに、「えきねっと」は法人契約のポータル経由でしかアクセスできず、そのポータルは会社アカウントのデバイスしかアクセスできません。

ビジネスマンが総て会社支給のスマホや持ち出し可能のPCを持っているとは限りません。全社のキャッシュレス、立替廃止を目論んでいたのにそれがネックで無理、というわけです。笑うしかないのが個人の「えきねっと」で購入して立替精算という事態の多発ですから。みどりの窓口廃止で代替は対話式と駅で購入する時間が読めない、しかも全車指定席化で事前購入必須、さらに事前に会社PCで購入してもその場で変更をどうする？という事態ですから、いろいろ言いたいことはあるけど「えきねっと」を登録するしかないのに、「ビジネスえきねっと」は無理という事態です。

もう何をしたいのか、支離滅裂です。利用者目線にまったくなっていませんし、ビジネスユースでも不満続出です。そこそこの規模の駅でも「無人化」ですし、そもそも関西から会社またぎで行くケースもあるというのに、見事に詰んでいます。割高になるEX予約とJREの打ち切り別購入をするしかないうえに、「ビジネスえきねっと」では事実上変更も出来ない、という不便で損という従業員も会社も頭を抱える事態です。
利用者を逆撫でするような宣伝を繰り広げる間があったら、一からやり直すべきです。

ちなみにJRCのEX予約は何百倍マシとはいえ、不満はあるわけです。しかしこちらもネットメディアで何を今更何周遅れ、というようなEX予約と新幹線推しの忖度記事が出てくるわけで（EX予約でようやく航空が見えてくるというレベルなんですけどね）、各社の広報はもう少し世間を見るべきでしょう。