Straphangers’ Room2022

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経済誌の数字への感性

2014-03-22 23:25:00 | 交通
月曜日の経済誌はそれなりに読者もいるのですが、まあ企業が惰性で購読していたのが大きいわけで、景気後退期に真っ先に切ったのがこういう役に立たない「情報源」でした。

東洋経済の方は「経済テツ」に媚を売った企画で部数を伸ばしたようですが、出すたびに算出基準が異なる営業係数とか、先日批判した三陸鉄道の話とか、詰めの甘さも目立ちますが、まあ為にする記事が無いのは救いですが、もう一方のダイヤモンドの方はどうでしょうね。持ち上げておいて数年経つと経営破綻、というのを流通、小売業(ヤオハン、ステップなど)で見せつけられているだけに東洋経済よりも信憑性に疑念があるわけですが、今回の北総線対抗バスのヨイショ記事もそうですね。

孫引きして北総・京成批判を無邪気にしている人も少ないくないですが、北総の運賃水準の変化をきちんと確認すれば、記事が為にする類であることは分かるんですけどね。

北総2期線開業当時(1991年)
北総:
高砂%件シ戸7.5km:350円
高砂$V鎌ヶ谷12.7km:450円
高砂$逞tニュータウン中央23.8km:610円
京成:
高砂°S越7.4km:140円
高砂¢D橋12.4km:200円
高砂#ェ千代台23.9km:310円
新京成:
松戸′ワ香7.4km:140円
松戸$V鎌ヶ谷12.1km:160円
松戸¢O原23.9km:220円

現行・自治体補填値下げ前(2009年)<1991年比>
高砂%件シ戸7.5km:440円<1.257倍>
高砂$V鎌ヶ谷12.7km:570円<1.266倍>
高砂$逞tニュータウン中央23.8km:760円<1.245倍>
京成:
高砂°S越7.4km:180円<1.285倍>
高砂¢D橋12.4km:250円<1.250倍>
高砂#ェ千代台23.9km:360円<1.161倍>
新京成:
松戸′ワ香7.4km:170円<1.214倍>
松戸$V鎌ヶ谷12.1km:190円<1.187倍>
松戸¢O原23.9km:250円<1.136倍>

現行・北総と自治体補填による値下げ後(2010年以降)<1991年比>
高砂%件シ戸7.5km:420円<1.200倍>
高砂$V鎌ヶ谷12.7km:540円<1.200倍>
高砂$逞tニュータウン中央23.8km:720円<1.180倍>
※京成、新京成は変更無し

高砂に接続した1991年以降の推移ですが、京成自体の値上げがどうか、という話はありますが、京成、そして安いと評判の新京成の値上げ率と比べてどうでしょうね。絶対値はそりゃ大きくなりますが、率で見れば一目瞭然。1.2倍前後の水準で3社とも推移しているわけで、確かに北総は1/100レベルの水準で割高でしたが、2010年の値下げ後は割安とも言える水準です。

定期券の割引率が渋いという問題がありますが、北総線自体の定期券割引率は2010年の値下げまでは通勤定期は一貫して約30%(1ヶ月)、通学定期は1991年当時は約50%だったものが約60%になり(同)、値下げ後は通学定期は約70%になっており、少なくとも北総だけが独歩高で今の高額運賃になったというが如き記事の表現が正しいかどうかは明らかでしょう。

もちろん高額運賃の理由が建設費償還と元利払であり、営業経費という面では他社と絶対額に大きな差が出るかどうか疑問がある部分もあるため、営業利益率が高い北総が同率での値上げで良しとすることに疑義が無いとは言えませんが、償却後の営業利益率は30%台で大きく変動しているとはいえないので、他社と同程度の率による値上げが営業損益を歪めていないという評価になるため、変化率で評価するのが妥当です。

そう言う意味では、数字を扱う経済誌が本誌ではなくサイトとはいえこんな記事を書いては話にならない、というか、読者を欺くようなものと言っても過言ではないでしょう。実際に真に受けての議論が広まっているだけに。




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