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混乱とやっつけ仕事の高速道路ナンバリング

2023-10-18 21:33:45 | 交通
高速道路ナンバリングが導入されて久しいですが、法則がありそうでない、それどころかやっつけ仕事のような付番すらあるという状態です。それこそ全国に統一的に付番されている国道番号を下敷きにしてExpwyのEをつければよかったのに、2桁にこだわったため3桁国道に並行する区間においては「全く違う番号」となり、ドライバーがおぼろげながら感じていた関連性を打ち壊してくれるから、あの番号っていったいなに、という話になり、結局は「○○道」のままです。

その「○○道」も案内上の名称と法律上の名称が泣き別れで、法律上の名称を使う官庁などの発表資料を何も考えないで使ってしまったメディアの記事に当惑することもしばしばです。これは鉄道で言えば頑なに「本四備讃線児島駅」とか「東海道本線甲南山手駅」「東北本線戸田公園駅」と言っているようなものですから。

ナンバリングはインバウンド対応として有効という主張も、インバウンドは3桁以上の数字が読めないなんてことはないんですから、高速道路はE、国道はRとか単純な決めごとさえ守れば3桁でも4桁でもいいんですよ。一般道は総てRとして、都道府県道や市町村道は4桁とするとか、数字の重複を回避するほうが有効です。高速道路は(広域で)並行する一般道路のバイパス的存在なので逆に数字が揃うほうが分かりやすい半面、都道府県道などは国道とのそうした関係にないから、同じ番号の道路が国道と県道で別々に存在するとか混乱の下です。

世間では国道をR、都道府県道以下はrとして番号の重複や道路種別を識別していますが、千の位を地方別に割り振れば重複も早々出てこないでしょうから、少なくとも一般道はRで示すことも可能になります。そうなると番号が変わるケースも出てきますが、平成以降でも国道昇格や新道開通による格下げや経路変更、また重複区間のルール変更での変更例は数多くあるわけで、結局は慣れの問題ともいえますし、体系だってわかりやすい付番への変更であれば歓迎でしょう。
ちなみに船橋市から我孫子市に抜ける千葉県北西部では例外的な南北方向の幹線道路であるr8船取線は、かつてr21であり、平成に入ってもr21のヘキサが残っていました。

もっと深刻なのが高速道路のナンバリングで、はっきり言えばご都合主義の塊です。2桁にこだわったことでわずかな欠番を除き99まで(99は欠番)が事実上埋まっており、新たな高速道路(高規格道)は作らないという宣言なのでしょうか。
既にナンバリングが定着している都市高速はそのままとしたため、アルファベットもなく国道と重複するとか、都市高速同士で重複するとか、都市高速は別物、というのであればまだしも、環状道路に関しては都市高速の追番で外縁部の環状高速が付番されているわけで(首都高のC1、C2に続いて外環道のC3、圏央道のC4がある。名古屋も名高速の環状線(R=Ring)をC1とし、名二環がC2、東海環状道がC3になる。なお名高速環状線がRからC1になったのはGood)、まさにつまみ食いです。

並行する一般国道との関連性についても、十字交差しないで一定区間縦貫方向を利用する横断方向の両方とも同じ番号にしたため、名称は別なのに番号が一緒という意味不明な事態も発生しています。あるいは名称も番号も一緒ですが、片方の区間にその番号は関連性の欠片もない、というケースもあるわけです。北関東道は途中縦貫方向(東北道)との重複はありますが名称も番号(E50)も変わりませんが、並行する国道もR50なのでこれはいいんですが、中部横断道は南部区間こそR52に並行するという意味でE52ですが、北部はR141に並行するのに2桁縛りもありE52と無関係の番号です。

播磨道と鳥取道に至っては中国道を挟んで名称は違うし分岐地点も違うのですが、ナンバリングはE29と姫路鳥取間のR29をイメージしていますが、佐用から志度坂トンネル経由のルートはR373として認識されており、これは戸倉トンネル経由のR29とは違うという識別にもなっているだけに、それは違うという感じです。だいたい広域流動で鳥取に行くのに播磨道経由という人はごく少ないですし。また同様に山形道はE48ですが、ルートは笹谷トンネル経由のR286に並行しており、これも関山トンネル経由のR48と違うルートとして認識されているのに、「48」はどうなのか。山形から先庄内へはR112として定着しているルートでもあり、R48とは全区間で無関係です。なおE48は仙台南部道路にも与えられていますが、宮城県道路公社からNEXCOに移管された際にR6になっているとはいえ、R48とは無関係です。E6も仙台東部道路はまだしも、仙台都市圏の環状道路を構築する三陸道、仙台北部道路も含んでいますが、これこそ仙台南から富谷まで環状高速であるC1でも名乗らせるべき区間でしょう。常磐道(E6)、三陸道(E45)はそれぞれ仙台若林JCT、利府JCTまでとして。

岡山道と米子道も混乱しており、岡山口では岡山から津山を経て鳥取に向かうR53をイメージしたいところ、真庭方面から米子に抜ける米子道と番号を一緒にしたことで、米子道が並行するのが3桁国道のR181となり、R53だと米子ではなく鳥取ということで、国道番号には無いE73を名乗っており、関連性の欠片もない状態です。
同様に尾道道と松江道も、これは三次で中国道と十字交差するとはいえ、ナンバリングは通しでE54となっています。確かに松江道はR54並行ですが、尾道道はR184並行なので無関係ですが。

さらに高速道路も高速自動車国道であれば無料の新直轄区間も含めて国道番号を持たずにナンバリングだけですが、一般有料道路になると国道番号を持ちます。京葉道路のようにR14とR16で、E14を名乗るのであればまだ許容範囲ですが、千葉東金道路(R126)のように3桁国道のバイパスというケースが多いです。なおE14はそのまま館山道、富津館山道路まで続きますが、これも千葉以南はR127ですからイメージに合いません。

しかも高規格道が国道指定された1993年の昇格組やそれ以降の開通組は、並行する一般国道などとは別に400番台後半の国道番号を持っています。「○○道」が一般的で国道番号を意識することは少ないとはいえ、国道番号で案内されるケースもあるわけで、それなりに認識する人もいましたが、これらがナンバリングにより「二枚看板」になっています。第三京浜は1993年に国道となりR466となっていますが、ナンバリングではE83となっており、全く関連性はありません。舞若道から分岐する北近畿豊岡道も実質山陰道ですが、E9が割り当てられた山陰近畿道は宮津経由で京都縦貫道に至るため、E72となり、さらにR483にも指定されています。朝来から日高まではR9が並行していますが。

また高速自動車国道の途中に一般国道区間があるケース。上記の鳥取道は志度坂トンネル区間がR373となっていますし、伊勢湾岸道もE1Aのナンバリングですが名港トリトン区間は一般有料道路としてR302の国道番号を持ちます。これらは極力国道番号での案内は少なくとも高速道路側ではしていないので混乱はほぼ無いとはいえ、難しいところです。
さらに山陽道はE2のナンバリングを持ちますが、山口県内で山口JCTで中国道に合流する「本線」とは別に山口南ICから宇部経由で下関JCTで合流するルートが用意されており、こちらにE2のナンバリングが与えられています。

なおこの区間はR2の高架バイパスである小郡道路、山口県の有料道路から無料化されて県道になった山口宇部道路を含んでおり、広域流動がこちらを経由することもまずないでしょうから、なんで別番号にしなかったのか。山陽道関係は広島岩国道路が途中挟まりますが、伊勢湾岸道と違い地上側で「広島岩国道路」を強調しているのも不案内ですし、神戸淡路鳴門道と瀬戸中央道の接続部分はJCTから1区間だけ山陽道を名乗り、しかもE2としています。会社またぎだからというかもしれませんが、NEXCO同誌では会社またぎで名称や番号は分けていません。それこそ岡山道は当初岡山総社ICまで山陽道の支線でしたが岡山道開通時に岡山JCTを起点にしていますよね。一方で西瀬戸道は山陽道福山西ICにつながるR2松永道路、松山道(E11)につながる伊予小松道路を含めてE76にしていますから、これもご都合主義の対応です。

その山陽道と東名、名神、さらに東北道は、並行する高速道路のナンバリングを統一しています。山陽道のE2に対し、中国道はE2Aとなり、東名、名神のE1に対し、新東名、伊勢湾岸、新名神はE1Aです。これは小牧ICで名称が変わるが「なんで小牧」という状況でもあり、通しでE1は合理的です。まあ一方で小牧ICではなくJCTで変わる中央道との微妙な違いもモヤりますが。
東北道のE4もE4Aがありますが、これ、常磐道ではなく八戸道からバイパス群を経て青森道といういわば末端の別ルートに充てられています。これなんかなんで別番号にしなかったのか。青森県道の一般有料道路そのものであるみちのく有料道路もE4Aですし。新東名や新名神はともかく、山陽道と中国道をグルーピングするのであれば、東北道と常磐道は当然そうなるべきだったんですが、常磐道に並行するのが1桁国道のR6ということを尊重してE6になっています。これもご都合主義でしょう。

1970年代、高速道路黎明期ともいえる時代、数少ない高速道路に国道のような番号を付ける試みがありました。実際に緑色六角形(ヘキサと違い頂点は横方向)の番号表示が立ちましたが(「高速国道」の補助標識付き)、当時は高速道路も少なく名称だけで足りたこと、またインバウンドも少なかったこと、さらには国道との関連性もないナンバリングではかえって紛らわしいこともあり、本格的な展開には至りませんでした。
逆に国道番号も300番台までだった当時、高速道路は500番台とか統一性、法則性を持って付番していれば、並行国道との関連性が無くても定着した可能性はあります。R2の福山西からR505(山陽道が名乗ったと仮定)に入り、広島でR54に行く、という感じで。



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1 コメント

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Unknown (こあら)
2023-10-19 23:14:07
道路ナンバリングの矛盾もさることながら、1本の道が途中で名称が変わるとはどういうことか。木更津以南、仕様が変わらないのにいつの間にか舘山道が(館山にたどり着いてもいないのに)いつの間にか名称が富津舘山道路に変わって、料金別計算とは納得いきませんねぇ。
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